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トンデモもののけ辞典105 風の神


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風の神

奇談集『絵本百物語』巻第5 第39「風の神」。絵/竹原春泉

➀風の神

5-4(第三十九 風の神)風の神(かぜのかみ)
「風にのりて所々をありき人を見れば口より黄なるかぜを吹(ふき)かくる其(その)かぜにあたればかならず疫(えき)傷寒(しやうかん)をわづらふ事とぞ」(風に乗って様々な所を歩き、人を見れば口から黄色い風を吹きかける。その風に当たれば必ず流行り病や傷寒を患うことになるということだ)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B5%E6%9C%AC%E7%99%BE%E7%89%A9%E8%AA%9E より引用

この話は「絵本百物語」に掲載されているものである。
1841年に刊行された奇談集で、著者は桃山人(序の署名では桃花山人。戯作者・桃花園三千麿のことか)、
挿絵は竹原春泉斎である。

「傷寒」について調べると、次のようにある。
昔の、高熱を伴う疾患。 熱病。 いまのチフスの類

ウィキの記述はこれだけだが、ネットを検索すると、どうも記述はこれだけではないようである。

「黄なる気をふくは黄は土にして湿気なり」

とも記されているようだ。

⓶土は水に勝つので、土(黄砂)によって水が蒸発して湿気になる?

この風の神の正体は推理するまでもなく黄砂だろう。

「黄なる気をふくは黄は土にして湿気なり」を現代語訳すると
「黄色い気をふくのは、黄色は土で、湿気である」というような意味だろうか。
これは、陰陽五行説を踏まえた文章であると思う。

陰陽五行説では万物は木火土金水の5つの要素からなると考える。
そして木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒であらわすのだ。

そして、次のような関係があるとされる。
五行相生「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」
五行相剋「水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ」

「湿気なり」は、土は水に勝つので、土(黄砂)によって水が蒸発して湿気になるということだろうか?

③風の神は風邪の神?

それにしても、黄砂の神をなぜ風の神と表現したのだろうか。
黄砂が風によって運ばれてくることは間違いないが、黄砂がひどい日は4月、5月ぐらいで、どちらかというと風が穏やかな日が多い。

4735490_s.jpg

黄砂に霞む広島市内-西区竜王公園から広島湾

寒冷前線の前面で激しい砂塵あらしがおき、ゴビ沙漠・タクラマカン沙漠の砂塵をまきあげる。
砂塵あらしは強いものをカラブラン(黒風)、やや強いのをセリクブラン(黄風)と呼ばれている。
カラブランがおこると1m先もみえないほどになるという。

上空にまきあげられた砂塵は上空の偏西風で東に運ばれながら拡散し、粒径が10マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1)以上の比較的大きな粒子が先に落ちる。
日本に落ちるのは、それよりも小さい粒子である。

このような軽くて小さい粒子は空気に漂うので、強風の日は太平洋のほうへ飛ばされてしまい、穏かな日に観測されやすいのではないかと思う。
(まちがっていたら教えてください!)

穏かな日に観測されるのに、なぜ妖怪は風の神と命名されているのだろうか。

ただ空気がもやっとするだけでなく、屋外に置いておいたものなどに砂埃がついているので、
黄砂がどこからやってくるのかわかっていなくとも、その正体が砂であることは分かっていただろうと思う。
そしてその砂は空気がもやっと霞んでいるときに多いので、霞の原因が空気中を漂う砂であることもわかっていただろう。
空気中を漂う砂は、どこからか風に運ばれてきたのだということも容易に考えつく。

黄砂が降ると、アレルギー症状、花粉症などを生じる。
花粉症はクシャミ、鼻水、微熱がでることもある。その症状は風邪に似ている。

黄砂の神は風に乗ってやってきて、さらに風邪をもたらす神だと考えられた結果、風邪と風の語呂合わせで、風の神とされたのかもしれない。

この説が成立するためには、いつから「かぜ」という言葉を使っていたかが重要になるが、こんな記述を見つけた。

江戸時代に入ると記録はさらに詳細になり、インフルエンザを連想させる疾患を「かぜ」或いは「はやりかぜ」と呼ぶようになりました。

絵本百物語は江戸時代の1841年に刊行された奇談集なので、年代的にはいけそうであるw




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