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シドモアが見た明治期の日本15 東京⑨ 

※ピンク色の文字部分は、すべて著書「シドモア日本紀行 明治の人力車ツアー /エリザ・E・シドモア 外崎克久 訳  講談社学術文庫」よりの引用です。

㉗梅屋敷の梅

p106
この梅屋敷[清香庵]は、かつて将軍[八代・徳川吉宗]のお気に入りの場所でした。

p107
行儀のよい参観者は、わが米国人、せっかちな田舎者がするようにひらひらする巻紙を不作法にまくったりはしません。奥ゆかしい老詩人たちは威厳に満ち、ひたすら花への賞賛と屋敷内の厳粛な静寂をテーマに歌を詠み、互いに講評を楽しみます。

↑ こちらのサイトに梅屋敷を描いたたくさんの錦絵が掲載されている。

梅屋敷は亀戸天神の心字池の向こうにあると書いてあるので、天神さん(菅原道真)にちなむ梅林があったのだろう。
菅原道真を祀る神社には梅林があるケースが多い。(北野天満宮、長岡天満宮、道明寺天満宮など)
清香庵はいつのまにか失われて、現存していないようである。

亀戸梅屋舗 歌川広重

亀戸梅屋舗 歌川広重


㉘上野公園の桜

p107
また、「どこでサクラの蕾が膨らみ、匂い、貝かを始めるのか」は大きな公共的関心事で、国内の日刊紙は毎日桜の名所先から至急電を報じます。

p110
官報は三条実美教や伊東博文公が三日間の花見旅行のため奈良や京都を訪ねるとの情報を詳細に発表します。まるでビスマルク[ドイツの宰相]やグラッドスタントン[英国の首相]が国事を中断し、遠くバラ博覧会へ巡礼を企てるかのようです。

上野公園については、すでにこちらの記事でも書いた。 

p109
上野の山のふもとにある広い蓮池[不忍池]が、驚くほどたくさんの白い花を映し出しています。競馬コースが周囲を取り巻き、島の小さな聖堂[弁天堂]の屋根はピンクの枝に覆い隠されています。

歌川国利 上野不忍池競馬の図 

歌川国利 上野不忍池競馬の図 

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不忍池 桜

p108
山に土着する野生の苗木から無数の変種が育ち、やがて頂点を極め百葉バラのごとくピンクの大きな二重の花となり、絵だ八百枝を厚く覆うバラの花飾りとなります

シドモアが記している上野の桜のほとんどはソメイヨシノだと思うが、ソメイヨシノは一重咲きである。
また桜の花はバラのように大きくない。
おそらく小さな花が集まって毬のようになっている様を「ピンクの大きな二重の花となり」と言っているのだと思う。

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p110
皇居内の慎重だった木立も季節遅れの蕾を付け、陛下や廷臣が枝に歌の棚句を吊します。同時に、春の観桜会が浜離宮御料地で催され、花盛りの遊歩道に宮廷関係者全員が集まります。

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千鳥ヶ淵

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浜離宮

㉙向島の桜

p110
隅田川東岸に沿った向島は、まさに祭一色です。低く垂れた桜並木が二マイル[三・二キロ]以上にもわたって続き、満開の日曜日は、まさに天下御免の安息日です。数百層もの船が水に浮かび、いかめしい小柄の景観が川沿いに動く花見客を交通整理します。


p111
変装した客を満載した船が土手沿いに櫂や竿を使って進み、ハンパで奇妙なかつらを被った乗客が自由奔放、おばかさん丸出しで叫び詠い、手拍子をとり、三味線をでたらめに掻き鳴らすさまは、堅物人種アングロサクソンの教学と羨望の的です。

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最近の向島付近

シドモアが書いているような日本人的飲酒をするとアルコール依存症になりにくく、アングロサクソン的にきどって飲むとアルコール依存症になりやすいときいたことがあるw

瓢箪にはお酒をいれる。



手桶はどのようにして使うのだろうか。
手桶の中に徳利とおちょこを入れておくのかもしれない。持ち運びがしやすそうだ。

㉚堀切菖蒲園

p112
そこでは四阿、月山、小池、高貴な花の大群生が見晴らせ、着飾った見物人の集団は自らの装飾効果を十分意識しながら、花の風景に収まっているかのようです。

これはシドモアが堀切菖蒲園について記したものである。

歌川広重 名所江戸百景 「堀切の花菖蒲」

歌川広重 名所江戸百景 「堀切の花菖蒲」

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最近の堀切菖蒲園

㉛本門寺の牡丹

p113
現在、池上の寺[本門寺]では日蓮宗はのプライドをかけた牡丹が展示され、樹齢三百年もの堅い幹と皺のよった樹皮を持つ老木には、堂々たる花が無数に咲いています。

江戸自慢三十六興・池上本門寺会式 三代歌川豊国・二代歌川広重筆

江戸自慢三十六興・池上本門寺会式 三代歌川豊国・二代歌川広重筆

本門寺の塔頭に本妙院があり、そこで現在も牡丹の花が鑑賞できるようだ。


本妙院には樹齢300年以上の松があるという。
上の動画1:33あたりに松らしき木の幹が写っているがこれのことだろうか?

幹が細いようにも思えるが、浜離宮の樹齢300年の松もさほど幹は太くないので、1:33辺りに映っている木のことかもしれない。

「現在、池上の寺[本門寺]では日蓮宗はのプライドをかけた牡丹が展示され、樹齢三百年もの堅い幹と皺のよった樹皮を持つ老木には、堂々たる花が無数に咲いています。」
とシドモアは書いていて、牡丹の木が樹齢300年の様にも思えるが、樹齢300年は松で、その松の周囲に牡丹の花が咲いているという意味なのか、と思った。

しかし、検索してみると、樹齢150年という牡丹の木があり一本の花木から1480輪の花を咲かるようである。



もしかしたら本門寺に樹齢300年の牡丹の木があり、上の動画のように1000を超える花を咲かせていたのかもしれない!

㉜東京の躑躅

p113
また、どこの庭園でもツツジが、炎のような赤、雪のような白、サーモンピンク、薄紫の花を咲かせています。さらに五月になると、野山や未開墾の川包みに群がり、いっせいに燃え立ちます。


㉝牛島の藤

p115
東京の北東、奥州街道沿いの粕壁[埼玉県春日部市]に日本一有名な藤の花があります[牛島の藤]。この藤蔓は樹齢五〇〇年といわれ、長さ五〇インチ[一・三メートル]以上もの花房が垂れ下がっています。こうしたなの大きさは四〇〇〇平方フィート[三七一平方メートル]にわたり、遠くから歌人や巡礼が敬虔な面持ちでやってきます。




シドモアが見た東京の花の名所は、現在もたくさん残っているようだ。
いつか訪ねてみたい。


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