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トンデモもののけ辞典98 陰摩羅鬼『成仏できなかった死者の霊は陰摩羅鬼という鳥になる?』

鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より「陰摩羅鬼」

鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より「陰摩羅鬼」

石燕の絵を見ると、卍マークのある香炉や、寺によくある旗(幟?名前がわからないw)
向かって左下には常花(イミテーションの花)、鐃鈸(にょうはち/仏教の法要に用いるシンバル)などが置いてある。、陰摩羅鬼がとまっているのは、おりん(磬子/けいす)だろう。
その下にある棒、磬子ばい(?)でおりんのふちをたたいて音を鳴らす。
御摩羅鬼は寺のお堂の中にいることがわかる。

①陰摩羅鬼

陰摩羅鬼、陰魔羅鬼(おんもらき)は、中国や日本の古書にある怪鳥。経典『大蔵経』によれば、新しい死体から生じた気が化けたものとされる[1]。充分な供養を受けていない死体が化けたもので、経文読みを怠っている僧侶のもとに現れるともいう[2]。


絵に添えられた文章は次のように記されている。

“蔵経の中に、「初て新なる屍の気変じて陰摩羅鬼となる」と云へり。「そのかたち鶴の如くして、色くろく目の光ともしびのごとく羽をふるひて鳴き声たかし」と『清尊録』にあり。


古典の画図においては鳥山石燕の画集『今昔画図続百鬼』に描かれており、解説文には中国の古書『清尊録』からの引用で、姿は鶴のようで、体色が黒く、眼光は灯火のようで、羽を震わせて甲高く鳴くとある[1]。

この『清尊録』には以下のような中国の陰摩羅鬼の話がある。宋の時代のこと。鄭州の崔嗣復という人物が、都の外の寺の宝堂の上で寝ていたところ、自分を叱る声で目を覚ました。見ると、前述のような外観の怪鳥がおり、崔が逃げると姿を消した。崔が寺の僧侶に事情を尋ねると、ここにはそのような妖怪はいないが、数日前に死人を仮置きしたという。都に戻って寺の僧に尋ねると、それは新しい死体の気が変化して生まれた陰摩羅鬼とのことだった[1]。

日本では江戸時代の書物『太平百物語』に、『清尊録』に類似した陰摩羅鬼の話がある。山城国(現・京都府)で宅兵衛という男が寺でうたた寝をしていると、自分を呼ぶ声で目を覚ました。見るとそこには怪鳥がいた。驚いた宅兵衛が逃げ出して陰から様子を伺っていると、そのまま怪鳥は姿を消した。宅兵衛が寺の長老に尋ねたところ、新しい屍の気が陰摩羅鬼になると大蔵経にあり、最近寺に仮置きした死人によるものだろうということだった[1]。

陰摩羅鬼の名の由来は、仏教で悟りを妨げる魔物の摩羅(魔羅)に「陰」「鬼」の字をつけることで鬼・魔物の意味を強調したもの、もしくは障害を意味する「陰摩」と「羅刹鬼」の混合されたものとの説がある[1]。


⓶死者の霊は鳥になって飛び立つ

記紀にアメノワカヒコという神様の葬儀のようすが記されている。
それによると、カワカリが食べ物を運び、サギはほうきを持ち、カワセミは神饌を用意し、スズメは米をつき、キジは泣き女をつとめたとある。

雁は渡り鳥である。それで「食べ物を運ぶ役目」とされたのだろう。
鷺は長い首を箒の柄、羽根の部分を箒に見立てたのではないだろうか。
カワセミは、小魚をとらえるのがうまく、町中でもカワセミが魚をくわえているのをよく見かける。
それで食物を用意する係とされたのだと思う。
雀は田圃のコメを食べる害鳥だった。それで碓女(=米をつく女)なのだろう。


メスのキジの鳴き声は弱弱しく泣いているかのようだ。それでキジが泣き女なのかもしれない。

鳥たちが葬儀をするという点に注意してほしい。

死んだヤマトタケルが白鳥になって飛び立つという話がある。
ササキという鳥がおり、これに御をつければ陵(ミササギ)となる。
仁徳天皇陵などの巨大古墳は、地上から見たのではその形を認識することができない。
天高く舞う鳥の視線であれば、その形は容易に認識できるだろう。

 

昔の人は、死んだ人の魂は鳥になって大空に向かうと考えたのではないだろうか。
ナスカの地上絵なども同様だと思う。

とすれば、アメノワカヒコの葬儀を執り行った鳥たちは、すべて死者の魂なのだと考えられる。

実はアメノワカヒコの葬儀にキジが登場するが、アメノワカヒコは生前に泣き女(=キジ)を殺している。
鳥が死者の霊であれば、アメノワカヒコが殺した泣き女(=キジ)も葬儀に参加することができるだろう。

経典『大蔵経』によれば、陰摩羅鬼は新しい死体から生じた気が化けたものであるという。
やはり、鳥は死者の魂だと考えられていたのだろう。

そしてきちんと供養を受けていれば、雁・鷺・カワセミ・雀・キジなどになって天に向かうことができたのだろうが、
陰摩羅鬼はきちんと供養を受けていないので、成仏できず、妖怪の鳥になってしまったのだ。
それで陰摩羅鬼は供養のためお経をあげてほしくて、寺の経文読みを怠っている僧侶のもとに現れると考えられたのではないかと思う。


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