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トンデモもののけ辞典① 後眼『諺・慣用句の妖怪?妖怪と魚オヤニラミの関係』

熊本県八代市の松井文庫所蔵品『百鬼夜行絵巻』より「後眼」

① 後眼

目が頭の後ろに一つだけあり、1本の鋭い爪を持つ妖怪である。『百鬼夜行絵巻』に記載されているのは名前と絵だけであり、どのような妖怪かは不明である。
おなじく江戸時代に描かれた絵巻物『百物語化絵絵巻』(1780年)では同様の格好をした妖怪が親にらみ(おやにらみ)という名称で描かれている[1][2]。また、国際日本文化研究センター所蔵の『化物尽絵巻』にも親白眼と記され同じ姿の妖怪が描かれている[3]。
仮名草子『異国物語』(万治元年、1658年)には、後頭部に一つ目を持つ人々の住む国「後眼国(こうがんこく)」についての記述がある[4]。後眼人は古くから中国の『三才図会』などに見え、一つの目が後頭部に描かれている姿という点では後眼と形は似ているが命名などについての関係性は不明瞭である。
多田克己は、「後眼」の名が、秘密は隠し抜くことはできずにいつか知れてしまうことを示す諺「後ろの目」に通じており、この妖怪が手を後ろに回していることが「後ろ手」(悪事を働いて手に縄をかけられる)または「後ろ指を差す」(陰で悪口をいう)、背後を見せていることが「後ろを見せる」(相手に背を向けて逃げる)に繋がるといった、解釈をしている[5]。


⓶諺や慣用句をあらわす妖怪?

多田克己は、「後眼」の名が、秘密は隠し抜くことはできずにいつか知れてしまうことを示す諺「後ろの目」に通じており、この妖怪が手を後ろに回していることが「後ろ手」(悪事を働いて手に縄をかけられる)または「後ろ指を差す」(陰で悪口をいう)、背後を見せていることが「後ろを見せる」(相手に背を向けて逃げる)に繋がるといった、解釈をしている[5]。


①後ろの目・・・・・・・・秘密は隠し抜くことはできずにいつか知れてしまう。(諺)
⓶後ろ手・・・・・・・・・悪事を働いて手に縄をかけられる。(慣用句)
③後ろ指をさす・・・・・・影で悪口をいう(慣用句)
④後ろをみせる・・・・・・相手に背を向けて逃げる(慣用句)

なるほど、多田克己さんのご指摘どおりである。

そういえば、次のような意味を持つのではないかと考えられる妖怪もいた。

ばか・・・・・・・・・うましか(馬鹿)・・・言葉
馬脚をあらわす・・・・馬の足・・・・・・・・慣用句
 

③親白眼

国際日本文化研究センター所蔵の『化物尽絵巻』に記された「親白眼」の絵は下記リンク先にある。


着物の柄が違う、妖怪の肌が色黒、右に別の妖怪がいないなどの点をのぞき、構図など後眼とほとんど同じである。

「白眼」について、コトバンクには次のようにある。

① 目の白い部分。しろめ。〔易経‐説卦〕
② (晉(しん)の阮籍(げんせき)が、気に入らない人には白い目で対したという「晉書‐阮籍伝」の故事から) 目の白い部分を出して見ること。気に入らないものを見る目つき。にらむ目つき。しろめ。⇔青眼。


この「白眼⓶の解説」は「⓶諺や慣用句をあらわす妖怪?」に書いた、

①後ろの目・・・・・・・・秘密は隠し抜くことはできずにいつか知れてしまう。
⓶後ろ手・・・・・・・・・悪事を働いて手に縄をかけられる。
③後ろ指をさす・・・・・・影で悪口をいう
④後ろをみせる・・・・・・相手に背を向けて逃げる

などに通じるものがある。

①後ろの目・・・・・・・・隠しておきたい不名誉な秘密がばれる。
⓶後ろ手・・・・・・・・・縄をかけられた過去(悪事を働いて逮捕されたなど)
③後ろ指をさす・・・・・・悪い噂がたつ
④後ろをみせる・・・・・・正々堂々と向き合わずに逃亡した。

このような行動に対して、白眼を向けるという意味で、
多田克己さんの「諺をあらわす妖怪」説を裏付けるように思える・

④オヤニラミという魚

おなじく江戸時代に描かれた絵巻物『百物語化絵絵巻』(1780年)では同様の格好をした妖怪が親にらみ(おやにらみ)という名称で描かれている[1][2]。

とある。
親にらみの画像を検索したがでてこなかった。(残念!)

オヤニラミという魚がいる。

オヤニラミ


ミコウオ(兵庫県)、ミコノマイ、ネコノマイ(中国地方)・・・求愛行動のようすから
ヨツメ(広島県・九州北部)・・・・・・目がよっつあるように見えるためだと思われる。
ネラミ(山口県)・・・・・・・・・・・睨み(にらみ)が訛ったものだろう。
カワメバル(川眼張)・・・・・・・・・メバル(眼張)に似ているため。
ミズクリセイベイ・・・・・・・・・・・オスが卵に水を送る様子から。

このオヤニラミの名前については諸説ある。

①オスが卵を保護するようす・・・親が(卵をねらう敵を睨む)
⓶縄張り意識が強い・・・・・・・子が縄張りに侵入しようとする親を睨む。
③眼状紋を子・本物の目を親とみたてる。・・・子が親を睨んでいる。


オヤニラミが特徴的なのは鰓蓋(エラブタ)の後にある眼状紋である。
まるで目がふたつあるようだ。

そういうわけで、個人的には「③眼状紋を子・本物の目を親とみたてる。・・・子が親を睨んでいる。」ガ「オヤニラミ」の可能性がありそうだなと思う。

また、そう考えると、妖怪「後眼」と同様の妖怪が「親にらみ」といわれる理由も説明できそうである。

鰓蓋(エラブタ)の後にある眼状紋(子の目)が、本物の目(親の目)をにらむから、オヤニラミ。
(平面上に二つの目が並ぶ)
妖怪・親にらみも、本物の目(親の目)の後ろに目(子の目)がある点で、オヤニラミと同じである。
(立体の表裏に二つの目がある。)
平面上に二つの目が並んでいるか、立体の表裏に二つの目があるかという違いはあるが、どちらも「後ろに目があるといえる。




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