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トンデモもののけ辞典55 磯撫で 

竹原春泉画『絵本百物語』より「磯撫で」

竹原春泉画『絵本百物語』より「磯撫で」 

1⃣磯撫で

外見はサメに似ており、尾びれに細かい針がおろし金のように無数にある[1][2]。
北風が強く吹くと現れ、近くの海を通りかかる船を襲う。その襲い方は実に巧みで、水を蹴散らして泳ぐのではなく、あたかも海面を撫でるかのように近づき[2]、人を襲うまでは決して姿を見せない。そして尾びれの針で人を引っ掛けて海中に落とし、食べてしまう[1][3]。
船に乗っている人は、磯撫での接近にまず気づくことはない。何となく海の色が変わったと思った時点で既に手遅れであり、仰ぐような風を感じると、それが海面から浮かび上がった磯撫での尾の起こした風である。磯撫でが現れたと気づいた頃には、既に尾びれで捕えられている結果となる[2]。
船乗りにとっては決して防ぐことのできない恐るべき存在であり、また魚を釣るはずの人間が逆に魚に釣り上げられてしまうという、皮肉な存在でもある[2]。
「磯撫で」の名の由来は、海面を撫でるかのような現れ方が由来という説や、尾びれで人を襲う様子が撫でるように見えるという説がある[1]。
三重県熊野市では、海辺に死人がいると「磯撫でに撫でられたのだろう」といわれたという[4]。
妖怪研究家・多田克己の推測によれば、この磯撫では想像上のものではなく、シャチのことを指しているとしている[5]。しかしシャチには磯撫でのような尾の針などはないが、多田克己は、室町時代頃に日本が中国や東南アジアと貿易し始めたことから、東南アジアに進出した日本人が現地のイリエワニを見て、そのイリエワニの背から尾にかけての突起が、磯撫での尾の針などの表現につながったと推測している[5]。


2⃣オンデンザメ

「外見はサメににており」「船を襲う」とある。
船を襲うということは、もしも「磯撫で」の正体がサメであるならば、小さなサメではなく巨大なサメではないかと私は考えた。

巨大なサメで日本近海で見られるサメとしては、オンデンザメがある。

深海にすみ、体長4m以上、動きがのろく、成熟するのに150年、寿命は400年ほどと考えられている。
駿河湾で観測されることがあるそうだが、駿河湾に現れるならば、三重県熊野市の近海にもあらわれそうである。
但し、深海魚なので、水深の浅いところまで浮上してくるか、という問題が残る。
近似種のニシオンデンザメは浅瀬にあらわれて、大型哺乳類を食べることもあるそうだが。

3⃣メガマウス

メガマウスというサメもいる。
最大7m、大きな口をもっているのが特徴で、日本近海にすむ。
磯撫では、三重県熊野市に現れたそうだが、メガマウスは2011年、2016年、2017年に三重県で観測されている。
プランクトンを主食としているので、あまり人をおそったりはしないのではないかと思うがどうだろう。

またウィキの説明にもあるように「、磯撫で」は尾びれに細かい針がおろし金のように無数にあるという。
サメ皮から「サメ皮おろし」がつくられるように、サメはおろし金のようにざらざらしている。
ただし、尾びれのみざらざらしているのではなく、全体がざらざらしているようである。

4⃣シャチ

「多田克己の推測によれば、この磯撫では想像上のものではなく、シャチ」とある。

シャチは日本近海でも観測され、肉食で、陸にあがって動物を捕獲してりすることもあるそうである。


上の動画を見ると、「海面を撫でるかのように近づく」と言う表現が、ぴったりきそうにも思える。
しかしウィキペディアの説明にあるように、シャチには磯撫でのような尾の針はない。

「イリエワニの背から尾にかけての突起が、磯撫での尾の針などの表現につながった」というのは
「シャチにイリエワニの特徴を足して磯撫でを創作した」ということだろうが、若干こじつけ感がしないでもない。

5⃣「磯なで」の正体は波では?

私は「磯なで」の正体は波ではないかと考えている。

『冨嶽三十六景』「神奈川沖浪裏」

葛飾北斎『冨嶽三十六景』「神奈川沖浪裏」

葛飾北斎の上の絵をみると、波の先にたくさんの針が憑いているように見える。


上記記事には北斎の波の写真と、ハイスピードカメラの写真を比較して、北斎の観察眼の確かさをほめたたえている。

波の先の針のように見える部分、これが「磯撫で」の「尾びれにあるおろし金のような細かい針」の正体ではないだろうか。

ウィキの説明には「北風が強く吹くと現れ」とある。
「磯撫で」が現れたとされる三重県熊野市は太平洋に面している。


一番上の「磯撫で」の絵を見ると、三角波が立っているようにも見える。



上の動画は三角波を撮影したものである。冒頭で、
「黒潮の流れと引き潮の流れがぶつかって、回りは穏やかなのにここだけすごく荒れています。」
とおっしゃっている。

進行方向の異なる波がぶつかったときにできる峯の尖った波のことを三角波と いいます。沖合いの進行する波(進行波)の場合は、120度より尖ることはな く、それ以上になると砕けます。しかし、進行方向の異なる波がぶつかると互い の波が合成され、進行波から定常波(波が進行せずにその場にとまって振動して いるように見える波)となり、その波は90度まで尖ることがあります。
そのため、大型船舶をも横転させてしまうほどの波形勾配の大きな波に成長す ることがあります。
特に、風向きの複雑な台風の中などでは、規模の大きな典型的な三角波が立ち ますので非常に危険です。 


北風が吹くことによって、波がたち、それが通常の南東方面の波とぶつかり、三角波がたつ。
その大きな三角波が、磯撫での正体なのかも?
 



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[2022/04/25 18:25] トンデモもののけ辞典 | TB(0) | CM(0)

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