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とんでももののけ辞典54 磯天狗

1⃣磯天狗

磯天狗(いそてんぐ)は、愛知県佐久島、和歌山県新宮、須賀利、三重県北牟婁郡に伝わる海の妖怪[1][2][3]。
民俗学者・日野巌による『日本妖怪変化語彙』によれば、天狗という名前に反して天狗の類ではなく、河童の一種とあり、怪火を出すものとされる[1]。和歌山、三重では、磯辺で火を灯しているともいう[2]。

愛知県知多郡南知多町では、ある漁師が雨の夜に海に出たところ、大量の魚が採れたが、どこからか火の玉が飛来し、草鞋を頭に乗せて念仏を唱えたところ火の玉が消え、気づいたときには採った魚が無くなっていたという[4]。
愛知県半田市の民話によれば昔、尾張国(現・同県)のある村で、海上に小さな白煙が回転しながら現れて次第に大きさを増し、竜巻のような凄まじい風と共に山へ飛来し、また飛び去ってゆくものが磯天狗の仕業と呼ばれたという。ある乱暴者が磯天狗を退治すると言い張り、磯天狗が飛来したという山へ登ったところ、噂通りの竜巻のような白煙が飛来し、あっという間にその中に飲み込まれ、はるか遠くの海まで放り出されてしまったという[5]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A3%AF%E5%A4%A9%E7%8B%97 より引用

白崎海岸

和歌山県 白崎海岸

2⃣磯天狗は磯に落ちてきた流星

日野巌氏は「磯天狗は天狗ではなく、河童」とおっしゃっているようだが、私は河童であるとは思わない。

『日本書紀』によれば637年に大流星があり、これを僧旻が 「あれは流星ではなく天狗(アマツキツネ)だ」 と言ったとある。
磯天狗もまた流星ではないだろうか。
天狗に磯がついて磯天狗となっているので、磯に落ちてきた(ように見える)流星ではないかと私は思う。
あるいは、流星よりも大きい火球かもしれない。

そう考えれば「怪火を出す」「磯辺で火を灯す」「火の玉」ということの説明もつく。

3⃣磯はたくさんの星が降ってできた。

雲陽誌という書物に次のような内容が記されているそうである。

島根県松江市の松崎神社では延宝7年に石が掘り出され、古語『星隕って石となる』から神・ニギハヤヒ(物部氏の祖神)の石として宝物にした。ニギハヤヒは星の神である。

磯とは岩石海岸のことである。

古の人々は、「磯はたくさんの流星が降ってできた」と考えていたのではないだろうか。


4⃣海上の竜巻

ウィキペディアの説明で
「尾張国(現・同県)のある村で、海上に小さな白煙が回転しながら現れて次第に大きさを増し、竜巻のような凄まじい風と共に山へ飛来し、また飛び去ってゆくものが磯天狗の仕業と呼ばれたという。」

とある。


ウィキペディアの説明で
「尾張国(現・同県)のある村で、海上に小さな白煙が回転しながら現れて次第に大きさを増し、竜巻のような凄まじい風と共に山へ飛来し、また飛び去ってゆくものが磯天狗の仕業と呼ばれたという。」
とある。

「竜巻のような」とあるが、これはずばり竜巻だろう。
海で発生した竜巻が山に移動し飛び去る現象をひきおこすものが磯天狗であるというのだ。


2006 年 9 月 17 日宮崎県延岡市を襲った竜巻では 3名の死者と 143 名の負傷者を生じ、同年 11 月 7 日の北海道佐呂間町の竜巻では 9 名の死者と 26 名の負傷者を生じた。我が国で大きな被害を生じた竜巻としては、1881 年 9 月 26 日に宮崎市で 16 名、1941 年 11 月 28日愛知県豊橋市で 12 名、1903 年 9 月 23 日に東京都新宿区で 10 名の犠牲者が出た例が報告されている.

https://www.metsoc.jp/kansai/publication/Pdf/Sc/035_kakidaigaku.pdf より引用


上記記事に愛知県豊橋市で竜巻被害があったことが記されている。
磯天狗がひきおこした竜巻は、尾張国(愛知県西部)であって、豊橋は尾張には含まれないが、近隣にはなるので
尾張で海で発生する竜巻が観測されることがあったのかもしれない。


竜巻は、我が国では、基本的にどこでも発生すると考えた方が良い。

https://www.metsoc.jp/kansai/publication/Pdf/Sc/035_kakidaigaku.pdf より引用

とも書いてあるが。


竜巻は積乱雲によって起きる現象であり、積乱雲が近づいたときにはあたりが暗くなり、雨が蒸発してできる冷たい風が吹き始めたり、雷鳴が聞こえ始めたりする。竜巻で最も危険なのは、風速 50m/s でも時速にすると 180km に達する速度で飛んでくる瓦や鉄板などの飛散物当たることや、自分自身が風で飛ばされることである。

https://www.metsoc.jp/kansai/publication/Pdf/Sc/035_kakidaigaku.pdf より引用

竜巻で瓦や鉄板が飛散するのだから、石なども飛散するのだろう。

磯を形成する岩は天から降ってきた星であるだけでなく、竜巻が運んできたと古の人々は考えていたのかもしれない。


白崎海岸2


和歌山県 白崎海岸





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