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トンデモもののけ辞典㊺ 狐火(本朝二十四考 )

龍野

龍野 街並

①本朝廿四考 狐火の段

3月、兵庫県龍野を訪れた。
情緒ある古い町並み。古い雛人形が飾られた古民家をめぐる。

龍野 雛祭り

文化センターでは、人形浄瑠璃を見ることができた。
演目は「本朝廿四考 狐火の段」。

人形浄瑠璃

龍野で上演された「本朝廿四考 狐火の段」

「本朝廿四考 狐火の段」は武田家と上杉家の確執を脚色した物語である。
脚色したものなので、実在しない人物も登場する。

上の写真は武田勝頼の許嫁の八重垣姫だが、八重垣姫は架空の人物である。

「本朝」とは日本のことで、「本朝廿四考」とは「日本の孝行に優れた24人の孝行者の話」という意味である。
中国に『二十四孝』(にじゅうしこう)という孝行に優れた24人を取り上げた書物があり、それに倣ってこのようなタイトルをつけたのだろう。

3段目に慈悲造という者が母に命じられて雪の中筍を掘るという話が出てくる。
それが孝行者の話だということでこういうタイトルになったようである。

 

上記動画にあらすじが記されている。
これを転記させていただいた。

越後の武将 上杉謙信の娘 八重垣姫と、甲斐の武将 武田信玄の息子 勝頼は、
足利将軍の仲介で婚約していました。

ところが将軍が暗殺され、両家に疑いがかかり、
犯人を見つけ出せなかったために、勝頼は切腹を命じられてしまいます。

悲しみに暮れる八重垣姫でしたが、死んだのは偽物で本物の勝頼は
花作りに身をやつして生きていたことを知ります。

しかし父謙信も、その秘密を知り、勝頼に刺客を差し向けるのでした。

この演目の舞台はここから始まります。

八重垣姫はそのことを勝頼に知らせようとしますが、
女の足では刺客に追いつけず、諏訪湖は凍っているため 船を出すこともできません。

そこで奥御殿にまつった諏訪明神の力が宿る兜にお祈りすると、不思議な事に狐が現れます。

八重垣姫は兜を手にして、ここかしこに燃え立つ狐火を力に、勝頼のもとへと急ぐのでした。


⓶諏訪湖に現れた狐火とは「御神渡り」だった?

諏訪湖では冬の寒い日に「御神渡り(おみわたり)」という現象が起こることがある。

「御神渡り」とは 氷が盛り上がって、長い筋を作る現象のことである。

 

 諏訪大社の御祭神・建御名方命(タケミナカタ)が下諏訪に住む八坂刀売命(ヤサカトメノミコト)に会いにいくときにできた足跡だと言い伝わっている。

なるほど「本朝二十四考 狐火の段」はこの伝説をベースに作られたものだったのだ。
つまり武田勝頼はタケミナカタ、八重垣姫はサカトメノミコトのイメージと重ねられているのだろう。

この、「本朝二十四考 狐火の段」にちなみ、諏訪湖には八重垣姫のブロンズ像がたてられているそうである。

すると、諏訪湖に現れた狐火とは、この御神渡りを比喩的に表現したものだということができるだろう。

③「御神渡り」ができるメカニズム

「御神渡り」ができるメカニズムについて、次のように記されている記事があった。

◇ 冬季、湖が結氷するといったん氷が膨張します。
その後に気温が下がるとどんどん収縮する為、気温が下がる夜中に氷が収縮し、亀裂が入りその隙間に水が入り、新しい薄い氷ができます。 

◇ 日中、気温が上がると今度は氷が膨張する為、両側から氷が押され薄い氷が割れ、せりあがります。

これが何日も繰り返され、御神渡りになります。

 

如来寺

龍野 如来寺

④タケミカヅチの手が返信した氷や刀は御神渡り?

 ⓶で、「諏訪大社の御祭神・建御名方命(タケミナカタ)が下諏訪に住む八坂刀売命(ヤサカトメノミコト)に会いにいくときにできた足跡だと言い伝わっている。」と書いたが、

タケミナカタとは大国主神の次男である。

天照大神は葦原中国は自分の子孫が収めるべきだとし、葦原中国の大国主命のもとへタケミカヅチとフツヌシを派遣し、大国主神に「国を譲るように」と迫らせた。
大国主神は「自分の二人の息子に意見を聞いてくれ」と言った。
そこでタケミカヅチは大国主神の長男のコトシロヌシと次男のタケミナカタに「国を譲るように」と言った。
タケミカヅチは「承知した」と答えて海に入水した。
タケミナカタはタケミカヅチに力くらべを挑んだ。
タケミカヅチは手を氷に変え、さらに刀に変えて(ひえ~)、タケミナカタの手を潰して投げ飛ばした。
タケミナカタは諏訪湖まで逃げたが逃げきれなくなり、ここから出ないこと、葦原中国は天照大神の子孫に譲ることを誓った。

タケミカヅチは手を氷に変え、さらに刀に変えたとあるところに注意してほしい。
そしてもう一度、上の御神渡りの動画を見てみよう。
御神渡りは神様が渡った跡のようにも見えますが、たくさんの氷の刀が並んでいるようにも見える。

諏訪湖の御神渡りは、タケミカヅチがタケミナカタと闘った際に変身した氷の刀であるとも考えられていたのではないだろうか。

つまり諏訪湖はタケミカヅチの手、というわけだ。

⑤古の日本では時間が過去→現在→未来へと流れると認識されていなかった?

タケミナカタは出雲におり、出雲でタケミカヅチと力比べをしたと読める。
そしてタケミナカタはタケミカヅチに負けた結果、諏訪湖に逃げたので、
タケミカヅチの手が変身したのは出雲であって、諏訪湖ではないといわれそうだw

しかし古代の日本では時間が過去→現在→未来へと流れると認識されていなかったのではないかと思うことがある。

たとえば、天照大神が天岩戸に隠れたという話がある。

①天照大神はスサノオの姉→天照大神は女神
⓶天岩戸に隠れるがアメノウズメ(女神)のストリップダンスに興味を持ってでてきた。→天照大神は男神?(女神ストリップに興味を持つのは男)
③天岩戸の外に置かれた八咫鏡に自分の姿が移った。→天照大神は男神から女神に性別がかわる?
※女がのぞき込んだ水鏡に男神が写るなどの昔話が多数あるが、水鏡に映ったのは自分の姿のはずである。
すると鏡は性別を転じさせる力があると考えられていたように思える。

物語の順番は、①→⓶→③となっているが
⓶→③→①という順番にしたほうが物語が矛盾なくつ長りそうに思える。


タケミカヅチとタケミナカタの力比べの話は本来は
①タケミナカタが出雲から諏訪湖(タケミカヅチの手)へ逃げる
⓶タケミナカタ、諏訪湖(タケミカヅチの手)の刀のようなつららにつかまってでられなくなる

であったかもしれない。(ちょっとむりくりっぽいかw)






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