トンデモもののけ辞典㊶ 玄武
新熊野神社 玄武
①玄武は亀に蛇がまきついた姿
玄武・青龍・朱雀・白虎という中国伝来の聖獣のことを四神という。
玄武は北、青龍は東、朱雀は南、白虎は西の守護神とされる。
玄武は上の写真のように、亀に蛇がまきついたような姿をしている。
⓶亀は天の北極、蛇は北斗七星?
亀に蛇が巻き付く姿、これは玄武を描いたものだが、その上に
7つの〇をつないで、その先端に剣のようなものをつけた図が描かれている。
これはいったい何だろうか?
星田妙見宮の参道には北斗七星の神々の石造が置かれている。
境内図に貪・ 巨・ 禄・ 文・ 廉・ 武・ 破と記されているが、これらはそれぞれ貪狼星・ 巨門星・ 禄存星・ 文曲・ 廉貞星・ 武曲星・ 破軍星の七つの星の神を示している。
上の写真は、星田妙見宮の破軍星の像だが、破軍星の文字の下に北斗七星のようなものが描かれている。
貪狼星・ 巨門星・ 禄存星・ 文曲・ 廉貞星・ 武曲星・ 破軍星は北斗七星の神、ということなのだろう。
しかし、貪狼星・ 巨門星・ 禄存星・ 文曲・ 廉貞星・ 武曲星・ 破軍星の境内の位置は北斗七星の形にはなっていない。
そこで、もう一度、幟に描かれた玄武のイラストを見てみよう。
そこで、もう一度、幟に描かれた玄武のイラストを見てみよう。
星田妙見の北斗七星の神々のレイアウトが、北斗七星の形をしていないように、
このイラストに描かれた七つの〇は北斗七星を表しているのではないか。
そして七つの〇と似た形をしている玄武の「亀に巻き付いた蛇」。
この蛇もまた、北斗七星をあらわしているのではないか。
とすれば、玄武の亀は天の北極をあらわしているように思えてくる。
③織女石は北極星ではないのか?
星田妙見宮の妙見は妙見大菩薩の妙見だろう。
妙見大菩薩とは北辰(天の北極)を神格化した菩薩。
ということは、星田妙見宮は北極星を祀る神社ということになる。
(天之御中主を御祭神としているが。天之御中主という神様は北極星の神様なのかもしれない。)
妙見山の参道には北斗七星の神々が祀られているので、妙見山の頂上は天の北極だろうか。
ところが、妙見山の頂上近くに磐座があって織女石(たなばたいし)と呼ばれている。
これはおかしい。
これはおかしい。
織女石と呼ばれている石は織女星(ベガ)ではなく、北極星または天の北極をあらわしているのではないのか?
星田妙見宮 織女石
④北斗七星ではなく小熊座の神々?
歳差運動による星の間の北天の極の経路
作者/タウオルンガ さん
上図+2000の文字の向かって左にある星(ポラリス)から緑色の線でつながる7個の星は小熊座である。
星田妙見宮の参道に祀られている貪狼星・ 巨門星・ 禄存星・ 文曲・ 廉貞星・ 武曲星・ 破軍星は本当は北斗七星ではなく、小熊座の神々ではないのか、とも思えるのだがどうだろうか。
すると、玄武の亀に巻き付く蛇もまた、子熊座ではないかと思えてくる。
⑥星が降る伝説は流星群をあらわしている?
余談だが、星田妙見宮にある大阪府交野市には、こんな伝説がある。
嵯峨天皇の御代、弘仁年間(810~823年)に、弘法大師が獅子窟寺吉祥院の獅子の窟に入り、佛眼仏母尊の秘法を唱えたところ天上より七曜の星(北斗七星)が降り、
星の森・光林寺・星田妙見宮の三か所に落ちた。
空海の秘宝は星を降らせるほど強力な呪術力を持っていたのか?
なんて考えるのは、今の時代ナンセンスである。
星が降るというのは流れ星のことだと思う。
それも北斗七星が降ったとあり、7個の星が降ったというこで、この伝説は流星群を物語にしたものではないかと思った。
いろいろな流星群があるが
しかし、北斗七星流星群や、大熊座流星群(北斗七星は大熊座を構成する星)というのはない。
小熊座流星群ならある。
小熊座付近を放射点として流星群が見られるそうだ。
小熊座流星群
小熊座が観測されるのは12月17日~12月26日で、ピークは12月22日である。
12月22日は冬至である。
冬至は太陽の南中高度が最も低くなる日である。
空の真南で1年で最も南中高度の低い太陽が昇ると、夜にはほぼ真北の空で流星群が降る。
この現象を昔の人はどんな風に感じただろう。
冬至の衰えた太陽が北の空に移動して流星となって散る。
そして冬至のあとに新しい太陽ができ、再び南中高度をあげていく。
などと考えていた、なんてことないだろうか。
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