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トンデモもののけ辞典㉚ 獏 


パンダ列車

パンダ列車

①獏とパンダは同一視されていた。

夢を食べる獏(バク)という想像上の聖獣がいる。
獏とはどのような聖獣なのだろうか。

中国の文献には次のようにある。

貘屏賛・・・・・・鼻はゾウ、目はサイ、尾は牛、脚は虎に似ている。
爾雅 釈獣・・・・白豹
説文解字・・・・・熊に似て黄黒色、蜀中(四川省)に住む。
爾雅 郭璞注・・・熊に似て頭が小さく脚が短く、黒白のまだらで、銅鉄や竹骨を食べる。
説文解字注・・・・今も四川省にいる。

説文解字に黄黒色とあるが、虎のようにはっきりした黄色ではなく、淡いクリーム色のことのようである。
そして四川省に住んで竹を食べる黒白まだらの動物といえばパンダ(ジャイアントパンダ)だ。

貘屏賛には「獏は鼻はゾウ、目はサイ、尾は牛、脚は虎」とあって、パンダとは全然ちがう。
そうではあるが、なぜかパンダは獏と同一視されていたようである。
今度からパンダのことを獏と呼ぼうw

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⓶パンダはなぜ獏と同一視されたのか?

獏は悪い夢を食べてくれるという俗信がある。
つまり獏は陰を陽に転じてくれる聖獣ということだろう。

陰陽の象徴といえば太極図である。

大極図

大極図

太極図は白と黒の図で構成され、白は陽、黒は陰をあらわす。
パンダは黒白まだら模様の動物なので、陰陽をあらわす動物、または陰を陽に転じさせる動物だと考えられ、獏と同一視されたのではないだろうか。

④本当の獏の正体はマレーバクでは?

獏(葛飾北斎画)
獏(葛飾北斎画)


上は葛飾北斎が描いた獏である。
貘屏賛によると獏は「鼻はゾウ、目はサイ、尾は牛、脚は虎に似ている。」ということなので、北斎の描いた絵のような動物だと思われるが、北斎の絵は全然パンダに似ていない。

古代中国にはマレーバクが生息していたそうだが、絶滅したそうだ。
このマレーバクがみごとな白黒モノトーンなのである。

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マレーバクは「鼻はゾウ、目はサイ、尾は牛、脚は虎に似ている。」に近いといえそうである。
夢を食べる獏とはマレーバクのことではないだどうか。

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上の写真は子供のマレーバクである。
大人と違って、黒白が混ざった柄をしている。
まるで陰陽(黒白)が混ざり合ったようにみえる。

これが大人になると2分割したかのような黒白の模様に分かれるのだから
天地が定まらず混沌としていた世の中が、天地にわかれるかのようで、神秘的である。

そしてその白黒モノトーンの柄が、太極図を思わせるため、「悪い夢を食べる」などと言われるようになったのではないかと思ったりする。

マレーバクは木の葉や果実を食べるそうで、竹をたべるとは聞かない。

爾雅 郭璞注に「熊に似て頭が小さく脚が短く、黒白のまだらで、銅鉄や竹骨を食べる。」とあるのはやっぱりパンダだと思う。
中国でマレーバクが絶滅してしまっため、マレーバク同様白黒模様のパンダが獏だと考えられたのかもしれない。


⑤鵲がかける橋は白黒モノトーン?

      

大友家持がこんな歌を詠んでいる。

かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける/大伴家持
(年に一度、天の川に鵲が橋をかけ、その橋を渡って牽牛と織姫が逢瀬を楽しむという。その橋のようにみえる宮中の階段に白い霜がおりているところを見ると、もうすっかり夜がふけてしまった。)

「霜の 白き」は天上に輝く星が白いのを霜に喩えたとする説もあるが
宮中の階段に霜がおりているのを天の川にかかる橋に見立てたとする説もある。

上の動画を見ればわかるとおり、鵲はくっきりした白黒のコントラストを持つ鳥であり、太極図を思わせる。

かささぎもバクと同じく、陰陽または太極図を象徴する鳥であると考えられていたのではないだろうか。

そして大伴家持は、黒い橋の上に白い霜がおりている様子を、「かささぎ」と表現したのではないかと思う。



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