とんでももののけ辞典⑰ 蝶化身
水尾の里 アサギマダラ
①超化身
ギリシャ神話のプシュケ、荘子の「胡蝶の夢」、ケルト神話のエーディンなど、蝶を死と生の境界を浮遊するものとして死者の化身や霊魂と結びつける伝承は世界各地に存在し、日本においても盆に祖霊が蝶や蛾になって帰ってくるという思想がある。
蝶化身については、水木しげるの「日本妖怪大全」において、蔵王山の麓に立ち寄った旅人があばら家の中に舞う無数の蝶を発見し、その蝶の群が飛び去った後に黒髪と人骨を発見したという話が紹介されている。
⓶不吉なので和名の「かわひらこ」という言葉は口にしなくなり、忘れられてしまった?
蝶という言葉は漢名で、やまと言葉では「かわひらこ」という。
蝶という言葉は漢名で、やまと言葉では「かわひらこ」という。
ところが、この「かわひらこ」という名前はいつのまにか忘れ去られてしまい、
漢名の蝶という言葉が用いられるようになった。
なぜ「かわひらこ」という和名は忘れ去られてしまったのだろうか。
漢名の蝶という言葉が用いられるようになった。
なぜ「かわひらこ」という和名は忘れ去られてしまったのだろうか。
丸谷才一さんは次のようにおっしゃっています。
かわひらこ(蝶)は亡くなった人の魂を表し不吉なので口にしなくなり、そのため「かわひらこ」という和名は忘れ去られてしまったのではないかと。
③巨大古墳は鳥や蝶などの目線を意識して作られた?
少彦名神という小さい神様がいる、日本書紀ではミソササイの皮をきていたとある。
ミソササイは体調11cmほどの小さな鳥である。
日本の野鳥の中では、キクイタダキと共に最小種のひとつとされる。
さえずりいがいの鳴き声のことを地鳴きといい、ミソサザイは下の動画のように鳴く。
↑ 全長103メートルのナガレ山古墳である。
このくらいの大きさであれば、地上からでもなんとなく形がわかるのだが
このくらいの大きさであれば、地上からでもなんとなく形がわかるのだが
空高く舞い上がる鳥の目線であれば、その形は容易に認識できるだろう。
堺市役所21階展望ロビーにあった模型(見やすくするため一部加工しました。)
日本書紀では「少彦名神はミソササイの皮をきていた」とあるが、古事記では「少彦名神は鵞の皮をきていた」とある。
鵞は蛾のことではないかと考えられている。
蝶と蛾は区別できないほど似ており、蛾と蝶を区別せず同じ言葉になっている国もあるそうである。
巨大古墳は、鳥や蛾や蝶の目線を意識して作られたのではないだろうか。
そして昔の人は「死んだ人の魂は鳥や蛾や蝶となって天へ向かう」と考えたのではないかと思う。
ミソササイの皮をきていた少彦名神とは死んだ人の霊ではないかと思われる。
仁徳天皇という名前は後世につけられたもので、『日本書紀』では大鷦鷯(オオササキ)天皇となっている。
鷦鷯とはミソサザイのことである。
仁徳天皇はミソサザイの皮を着ていた少名彦神とイメージがだぶる。
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