惟喬親王の乱⑦一言主神社 『土蜘蛛とは首のない人間のことだった?』
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惟喬親王の乱⑥ 染殿院の腹帯地蔵は惟喬親王のイメージ? よりつづきます~
「小野小町は男だった」もよかったらよんでみてね。
①飛鳥の亀石
飛鳥路を歩いていくと、謎の石造物が次々に現れる。
中でもそのユーモラスな姿で有名なのが亀石である。
亀石は亀を象ったものではなく、蛙を象ったものではないかともいわれている。
飛鳥の亀石
②亀石は人間の頭部を現している?
亀石を見て、私は京都の妖怪ストリートに置かれていた妖怪ぬらりひょんを思い出した。

写真中央、湯呑を乗せたお盆を持っているのが妖怪ぬらりひょんである。
亀石はこのぬらりひょんの頭部にそっくりではないだろうか。
眉間の半月状のしわまで同じである。
③葛城一言主神社の亀石
亀石と呼ばれる石は葛城一言主神社にもある。
葛城一言主神社
「小野小町は男だった」もよかったらよんでみてね。
①飛鳥の亀石
飛鳥路を歩いていくと、謎の石造物が次々に現れる。
中でもそのユーモラスな姿で有名なのが亀石である。
亀石は亀を象ったものではなく、蛙を象ったものではないかともいわれている。

飛鳥の亀石
②亀石は人間の頭部を現している?
亀石を見て、私は京都の妖怪ストリートに置かれていた妖怪ぬらりひょんを思い出した。

写真中央、湯呑を乗せたお盆を持っているのが妖怪ぬらりひょんである。
亀石はこのぬらりひょんの頭部にそっくりではないだろうか。
眉間の半月状のしわまで同じである。
③葛城一言主神社の亀石
亀石と呼ばれる石は葛城一言主神社にもある。

葛城一言主神社
葛城一言主神社は葛城山の中腹にあるため、長い階段が設けられている。
『亀石』はその階段の上り口の向かって左手にある。

亀石
階段を登ると境内で、樹齢1200年と伝わるイチョウの木、神殿、拝殿などがある。
この拝殿の横に『土蜘蛛の塚』と呼ばれる石がある。

土蜘蛛の塚
一言主神社の『土蜘蛛の塚』は土蜘蛛の胴体を埋めた上に石を置いたもの、頭は神殿の下、足は神殿より100mほど先にある鳥居付近に埋められたといわれている。
土蜘蛛とは記紀や風土記に登場するまつろわぬ民のことで、『穴の中に住む』と記されている。
『穴の中に住む』とあるところから、土蜘蛛とは未開の民族であると考えられている。
この土蜘蛛をモチーフとした大念仏狂言や六斎念仏などの演目がある。

嵯峨狂言 頼光と土蜘蛛
④『土蜘蛛の塚』は蜘蛛、『亀石』はドクロを表している?
一言主神社の言い伝えを整理すると次のようになる。
土蜘蛛の胴体・・・土蜘蛛の塚の下に埋められた。
土蜘蛛の頭部・・・神殿の下に埋められた。
土蜘蛛の脚・・・・神殿より100mほど先にある鳥居付近に埋められた。
『土蜘蛛の塚』は見る角度によっては二つのふくらみがあるように見え、蜘蛛の形をしているように見える。
(蜘蛛は頭胸部と腹部のふたつの部位よりなる。)
そして亀石は階段の登り口にあるが、この場所は神殿の下、といえなくもない。

一言主神社 階段
また、亀石はどことなく人間のドクロを思わせるような形をしている。
『土蜘蛛の塚』が土蜘蛛の胴体を埋めた上に置いた石であるならば、亀石は土蜘蛛のドクロを埋めたうえに置いた石なのではないだろうか。
土蜘蛛の胴体・・・土蜘蛛の塚の下に埋められた。・・・土蜘蛛の塚(蜘蛛形の石)
土蜘蛛の頭部・・・神殿の下に埋められた。・・・・・・・・・亀石(ドクロ形の石)
土蜘蛛の脚・・・・神殿より100mほど先にある鳥居付近に埋められた。
⑤頭部のない昆虫
昆虫の体は頭部・胸部・腹部の3つに分かれているが、蜘蛛は頭胸部と腹部のふたつの部分からなり、昆虫とは別の動物とされている。

『土蜘蛛の塚』は蜘蛛の形に似ているが、これに階段の登り口にある『亀石』を合体させるとアリのような昆虫の形になる。
それで閃いたのだが、昔の人は蜘蛛を頭部のない昆虫だと考えたのではないだろうか。
こう考えれば、土蜘蛛の胴体を埋めたうえに置いた石『土蜘蛛の塚』が蜘蛛の形をしていること、『土蜘蛛の塚』に『亀石』をくっつけると昆虫のように見えることの説明がつく。
ということは、記紀に登場する土蜘蛛とは首を斬られた人の霊なのではないだろうか。
そして亀石とは土蜘蛛の斬られた首=ドクロを模した石なのではないかと思った。

一言主神社 秋季大祭
④負けたのはナマズなのに、なぜ死んだのは亀なのか。
飛鳥の亀石には次のような伝説がある。
かつて大和は湖であり、当麻の蛇と川原のナマズが湖を二分して支配していた。
あるとき、蛇とナマズが湖の支配権をかけて争い、川原のナマズが負けた。
その結果、湖水を当麻に取られて川原の湖は干上がり、多くの亀が死んだ。
亀石はその追悼の意味から造られたもので、この石が当麻のある西を向いた時には、大和盆地は大洪水がおこって湖になると言い伝えられている。
争ったのは當麻の蛇と川原のナマズで、争いに負けて死んだのは川原のナマズだと考えられる。
それなのになぜ死んだのはナマズではなく亀なのだろうか?
川原のナマズとは大化の改新出中大兄皇子に首を切られた蘇我入鹿を比喩的に表現したものだと思う。
當麻の蛇とは中大兄皇子のことだろうか。
中大兄皇子は葛城皇子ともいう。
葛城と當麻は場所的に近く、當麻の蛇とは中大兄皇子(葛城皇子)のことを言っているようにも思える。

多武峯縁起絵巻 複製 中大兄皇子に首を斬られる蘇我入鹿(談山神社)
そして死んだ亀とは蘇我入鹿のドクロを比喩したものだと私は思う。
川原のナマズ・・・蘇我入鹿
死んだ亀・・・・蘇我入鹿のドクロ
このように考えれば、戦いに敗れたのはナマズだが、その結果死んだのが亀だということの理由がわかる。
亀とはナマズの髑髏のことを言っているのではないだろうか。

一言主神社 一陽来復祭
惟喬親王の乱⑧ 清和院 『惟喬親王にろくろ首のイメージ?』 に続きます~
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