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福島原発で癌は10倍になっていない。(データの誤用に注意!) 




 
①福島で相次いだ病院閉鎖の影響で患者が増えたのでは?

上の動画に、福島県のある市民病院の患者数の表が示されている。

福島原発事故の前の2010年、成人白血病・成人甲状腺がんなどの病気になった人の総数が1310人、
原発事故後の2017年、成人白血病・成人甲状腺がんなどの病気になった人の総数が4599人。

さらにその表の下に市の人口を示している。
原発事故前の2010年度の人口は70878人、原発事故後の2017年度の人口は55404人。
原発事故の影響で市外へ避難したり移転する人が大勢いて、2010年には70878人だった人口が、2017年には55404人に減っているのだ。

それなのに、2010年には1310人だった患者数が、2017年には4599人に増えている。
福島原発事故の影響で癌などの病気が増えている!

そう武田先生は主張している。

しかし、この計算にはトリックがある。難しいトリックではない。中学生でもわかるレベルの単純なトリックだ。

「市民数と市民病院の患者数は比例しない」ということである。

原発事故後、福島の病院閉鎖のニュースが頻繁に報じられていた。
たとえば市に4つあった病院のうち2つが閉鎖したとしたら?
残った2つ病院の患者数は増える可能性が高くなることはいうまでもない。

また病院のベッド数を増やすと受け入れられる患者数が増えるので、そういうことも関係していそうだ。

②人口減少+病院減少で1病院の患者数が増えることはありえる。

これに対して、次のような反論があった。

病院が減っているというが、人口も減っている。それなのに原発事故の影響がなく患者数が増えるなんてことがありえるのか、と。

結論から言うと、これはありえる。数字を単純化して考えてみれば理解しやすい。
①で述べたように、「市民数と市民病院の患者数は比例しない」のだが、比例すると仮定して計算をしてみる。


a.人口1000人で、患者数が400人のとき、
人口に対する患者数の割合=(400÷1000)×100=40%  
b.人口700人に減少したとき、患者数400人を人口補正すると 700人×40%=280人 

a.人口1000人、患者数400人、病院数が2件で、どの病院にも均等に患者があったと仮定する。
すると、
病院一件あたりの患者数は 400÷2=200人 となる。

b.人口700人、患者数280人で、病院数が1件とすると1病院の患者数は280人。

人口1000人、病院数3件のとき病院1件あたりの患者数200人。
人口700人、病院数1件のとき、病院1件あたりの患者数280人。

人口が減っているが、1病院の患者数は増える計算になる。


③人口補正倍率をかけるのは無意味

成人白血病患者数は事故前の2010年には5人だったが、事故後の2017年には53人に増えている。
53人÷5人=10.6で、事故前に比べ事故後10.6倍に患者数が増えたことになる。
(もちろん事故の影響だけでなく、病院閉鎖の影響もあると考えられる。)

しかし成人白血病患者が5人だったとき、市の人口は70878人だった。
これが2017年ではら55404人に減っている。

減少率は55404人÷70878人=0.781881198≓0.8 

上表右下の0.8はこうして計算したものだろう。

2017年、2010年と同じ人口であった場合、患者数は何人増えるかを考えなければ正しい倍率にならない。

2017年の患者数/2010年の患者数÷2017年の人口/2010年の人口=人口補正倍率

赤字で示した2017年の人口/2010年の人口は「55404人÷70878人=0.781881198≓0.8 」だが、四捨五入した0.8で計算すると誤差が大きくなる。
そのため、武田先生は0.781881198で計算を行っている。

成人白血病・・・53/5÷55404/70878=10.6÷0.781881198=13.5570468≓13.6
成人甲状腺がん・・・29/1÷55404/70878=29÷0.781881198=37.09003372≓37.1

このように計算したのだと思う。、「市民数と市民病院の患者数が比例する」のであれば、この計算は間違いではない。

しかし、①に書いたように、「市民数と市民病院の患者数は比例しない」ので、武田先生が表の右端に記しておられる人口補正倍率の計算は無意味である。

倍率をさらに大きく見せるための仕掛けのように思えなくもないw。

④データ元発見!

データ元は公開されていなかった。先生はデータ元をほとんど公開しない。これは先生の悪い癖である。
しかし最近になってデータ元がわかった。
ある人に医師・澤野豊明さんが書いた記事を教えてもらったのだが、その中に表があったのだ。


 。
https://webronza.asahi.com/national/articles/2019090400003.html?page=1 より引用

武田先生の表とは方向が逆で、年が縦、病名が横になっている。
これを武田先生の表と同じ方向、年を横、病名を縦に直した表を作成した。
また白血病などはリンパ性・骨髄性・他の3項目に分かれているので、足して表に書き入れた。

あと、武田先生の表には脳卒中の項目があるが、澤野豊明さんが公開しておられるデータには脳卒中の項目はない。
(下表)
20102011201220132014201520162017
H22H23H24H25H26H27H28H29
成人白血病56122029365053
成人甲状腺がん1481215192129
胃がん147164204231269300342333
肺がん646879106134189227269
大腸がん131154188222258314385392
肝臓がん1215192531354247
小児がん11111124
心筋梗塞39425065109109147155
肺炎245287338419512713911974
脳卒中


武田先生の表は2011年から2016年のデータがないが、2010年と2017年のデータは澤野豊明さんが公開しておられるデータと数字が全く同じだ。
武田先生がこのデータを参考にしたのはまちがいない。

⑤他病院からの紹介、専門医師の赴任も患者数増加の原因に。

澤野豊明さんが書かれた記事を読んで、近隣の病院閉鎖以外にも患者数増加の原因があることがわかった。

記事をまとめておく。

①南相馬市議である大山弘一氏が「南相馬市では原発事故前に比べ、成人甲状腺がんが29倍、白血病10.8倍、肺がん4.2倍に増えた」という内容のチラシを市民に配布した。

②これは南相馬市立総合病院の医事会計システムのデータを誤った解釈をして作られたものである。

③大山議員の弁護士・井戸謙一氏はこのデータをFacebookで公開した。

④井戸氏は一部発信した内容の誤りを認め、のちに謝罪した。

⑤大山議員が参考にしたデータは医事会計システム(医療費を計算するためのもの)のものである。

⑥医事会計システムでは、患者さんが初めて来院して「大腸がん」などのように診察されると1カウントがつく。
治癒・転院・死亡などで来院しない状態になるとカウントから外される。
通院していると毎年カウントされる。

⑦平成29年度の成人甲状腺がんは29人で、平成28年度の21人から8人増えている。
実際は平成29年度9人の患者が甲状腺がんと診察されていた。
そのうち5人が当院で初診をうけた患者、4人が他の病院から紹介があって受診した患者。

⑧震災前の平成22年度には、市内で精神科を除いて入院ができる病院は6つあったが、平成29年度には入院が可能な病院は4つに減少している。

⑨呼吸器内科・血液内科では震災後に専門医が南相馬市立総合病院に赴任したため、肺がんの患者がより集まった。

⑩外科も手術できる医師が赴任したため、患者が増えた。

大山議員の弁護士・井戸謙一氏は一部発信した内容の誤りを認めて謝罪したそうだが、武田先生はいまだ謝罪もしないし、動画を取り下げることもしていない。
科学者の態度としていかがなものか、と思う。

※私は原発事故の影響で癌などの病気が増えていないといっているのではない。計算はまちがいであると言っているにすぎない。
正しく計算されたものでなければ人々を納得させることができないのは当然のことである。






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