ミシャグジ様の謎④ 『何度作っても神殿が焼けてしまう神社』
ミジャクジ様の謎③ 『ニギハヤヒは太陽神?それとも星の神?』 よりつづきます~
トップページはこちらです→ミシャクジ様の謎① 昔の人は岩を落ちてきた星だと考えた?
①隕石が落ちた神社
初回の記事ミシャクジ様の謎① 昔の人は岩を落ちてきた星だと考えた? で私たちは磐船神社を訪れた。
今回はこの磐船神社の西北2kmほどのところにある星田妙見宮を訪ねてみよう。

星田妙見宮

星田妙見宮 絵馬堂
妙見山の頂上近くに星田妙見宮の拝殿があり、その奥に織女石(たなばたいし)が祀られている。
たぶんこの織女石が御神体なのだろう。本殿はないようである。

星田妙見宮 織女石
星田妙見宮の説明板に次のような旨が記されていた。
816年、ここに隕石が落ちたことで山が吹き飛ばされ、馬蹄形になっている。
落ちたのはペルセウス座流星群の母彗星スイフト・タッフル彗星からの隕石である。


どうやら816年ここに隕石が落ちたというのは、星田妙見宮に伝わっている話であり、正史に記録があるというわけではなさそうであるが。
また星田妙見宮には隕石が落ちてきたという伝説はあっても、本物の隕石が存在しているわけではなさそうである。
②古の人々は巨石を空から落ちてきた星だと考えた?
「拝殿の奥にある織女石が、星から落ちてきた隕石である。」
古の人々はそう考えたのではないかと私は思う。
その理由を述べる。
『雲陽誌』には『星降って石となる』という古語があると記されている。
それが隕石であるかどうかは別にして、古の人は巨岩を空から落ちてきた星だと考えたのではないかと思われる。
初回にご紹介した磐船神社の御神体・天の磐船。
磐船神社の御祭神はニギハヤヒという物部氏の祖神で、ニギハヤヒはこの天の磐船を操ってここに天下ったとされる。
さらに『ニギハヤヒは星の神である』との旨が『雲陽誌』には記されている。
天の磐船は隕石ではないが、古の人は巨石を空から落ちてきた星であると考え、
「ニギハヤヒがこの天の磐船を操って地上に天下った」という物語を創作したのではないかと思うのだ。

磐船神社 ご神体 天の磐船
③作っても作っても神殿が焼けてしまう神社
ネットでぐぐってみたところ、「星田妙見宮は何度神殿を作っても火事になって焼失してしまう、それでこの神様は神殿は欲しくないのだろうということになり、神殿をつくっていない」という記事を読んだ。
しかしもう何年も前のことで、記憶が定かではない。
また今ぐぐってみても、この記事は見つからない。
④星田妙見宮と天野川を挟んで対面する天田神社

天田神社
ついでなので、星田妙見宮から天野川を挟んだ対岸にある天田神社にも立ち寄ってみることにしよう。
天田神社は天田(豊に実る田)の神を祀っている。
この天田は牽牛が耕す田で、対岸の織女石は織姫であると考えられたという。

天田神社に奉納された絵
星田妙見宮に神殿はなかったが、天田神社には神殿があった。

天田神社周辺には田圃が広がっていた。
ミシャグジ様の謎⑤ 交野ヶ原の天の川伝説 につづきます~
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