陰陽 黒と白⑱ 勝尾寺には白山信仰があった? よりつづきます~
勝尾寺①白い神が黒い神に転じる。大阪府箕面市の勝尾寺には次のような伝説があった。
1677年、旗本菅沼隠越中守の娘が勝尾寺の三宝荒神さまに祈願したところ、白髪が黒髪になった。この伝説は、白い神が黒い神に転じたということを比喩的に語ったものではないかと私は考えた。
勝尾寺 三宝荒神②菅沼隠と菅沼集落そして、旗本菅沼隠越中守とは
旗本・・・江戸時代の武士の身分のひとつ
越中・・・現在の富山県
守・・・・国司
である。
菅沼隠が何をあらわしているのか、わからない。
この人は越中(富山県)の国司をつとめていた人だが、富山県五箇村に世界遺産に登録されている菅沼集落がある。
合掌造りの家が数多く残っていることで有名な集落である。
菅沼とはこの菅沼集落をさしているのかもしれない。

五箇山 菅沼集落③勝尾寺には白山信仰があった?そして勝尾寺には白山信仰があったと考えられる。
というのは、次のような創建説話が伝えられているからだ。
727年、双子の兄弟、善仲と善算(年藤原致房の子)がここに草庵を築き、765年開成(かいじょう/光仁天皇の皇子・桓武天皇の異母兄)が善仲、善算に弟子入りした。
777年、開成は大般若経600巻の書写をやり遂げ、この場所に弥勒寺を創建した。
780年、妙観が十一面千手観世音菩薩立像を刻み、本尊として安置した。
880年、行巡が清和天皇の病気平癒の祈祷を行って効験があったため、「王に勝った寺」の意で「勝王寺」 の寺号を帝より賜った。
しかし、「王に勝った寺」とはあまりに畏れ多いとして、「王」を「尾」として勝尾寺と号した。 ここに開成皇子なる人物が登場するが、静岡県磐田市の白山神社の創建説話に登場する海上皇子(戒成皇子/桓武天皇の第四皇子)愛知県新城市の白山神社の創建説話に登場する後醍醐天皇の第3皇子・開成皇子と関係があるのではないかと前田速男さんが
指摘されている。
勝尾寺 | 大阪府箕面市 | 開成 | 光仁天皇の皇子 桓武天皇の異母兄 | 旗本菅沼隠越中守の娘が勝尾寺の三宝荒神さまに祈願したところ、 白髪が黒髪になった |
白山神社 | 静岡県磐田市 | 海上皇子(戒成皇子) | 桓武天皇の第四皇子 | 裸足で大地を踏んだので鬼神の怒りにふれ、 病になった |
白山神社 | 愛知県新城市 | 開成皇子 | 後醍醐天皇の第3皇子 | 裸足で大地を踏んだので鬼神の怒りにふれ、 病になった |
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