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陰陽 黒と白⑥ 足島大神はタラシ王朝の神=物部王朝の神?

陰陽 黒と白⑤ 住吉明神はタラシ王朝の神?  よりつづく~

生玉夏祭 大阪城にて 獅子

生玉夏祭り


①足島大神は『満ち足らしめる神』


生國魂神社の主祭神は生島(いくしま)大神・足島(たるしま)大神である。
このうち、今回は足島大神について考えてみようと思う。
足島大神はどのような神様なのか。

ウィキペディアの「生國魂神社」の項目には次のような内容が記されている。
「神武東征の際、神武天皇が難波碕(現在の上町台地)の先端に日本列島そのものの神である生島大神・足島大神を祀った。 」

長野県上田市にはこの生島大神・足島大神を祀る生島足島神社があり、ウィキペディアの「生島足島神社」の項目には、次のように記されている。
「生島大神は万物を生み育て生命力を与える神、足島大神は国中を満ち足らしめる神。 」

なるほど、足島大神の『足』は『足りる』という意味だったのだ。

生玉夏祭 鳳輦2

②足島大神は葦原中國の神?

また、日本の国土のことを「葦原中国(あしはらのなかつくに)」という。

足島大神の足は葦にかかり、『満ち足りる神』であると同時に葦原中国の神なのかもしれない。

生玉夏祭 おかめとひょっとこの面
  
③足島大神は『足(タラシ)王朝の神』?

前回の記事、陰陽 黒と白⑤ 住吉明神はタラシ王朝の神? で、足は「たらし」とも読み、和風諡号に足(タラシ)という字のつく天皇や皇后がおり、タラシ王朝と呼ばれているということをお話しした。

12代景行天皇・・・大足彦忍代別天皇(オオタラヒコオシロワケノスメラミコト)
13代成務天皇・・・稚足彦尊(ワカタラヒコノミコト)
14代仲哀天皇・・・足仲彦天皇(タラナカツヒコノスメラミコト)
神功皇后(仲哀天皇皇后)・・・気長足姫尊(オキナガタラヒメノミコト)

生玉夏祭 


また住吉大社は海の神として信仰されているが、四つの社の配置がみたらし星(オリオン座の三ツ星)の配置に似ており(三ツ星というが、そばに小さな星があって厳密には星は4つある。)
もともとは「みたらし星」の神だったのではないかという説についてもご紹介した。

住吉大社 

住吉大社の第四本宮は14代仲哀天皇の皇后・神功皇后=息長足姫命 (オキナガタラシヒメノミコト)をお祀りしている。
もしかして、第一本宮、第二本宮、第三本宮に祀られている底筒男命・中筒男命 ・表筒男命とは、12代景行天皇(オオタラシヒコオシロワケノスメラミコト)、13代成務天皇(ワカタラシヒコノミコト)、14代仲哀天皇(タラシナカツヒコノスメラミコト)のことなのではないかと私は考えた。

みたらし星は御手洗星と記されるが、本当は御足星(足とかいてタラシと読む)もしくは三足星という意味で、タラシ王朝を象徴する星だったのではないだろうか?
そういえば下鴨神社の御手洗(みたらし)祭では、御手洗というが、水に足をつけて身を浄める。

生國魂神社の御祭神・足島大神とはタラシ王朝の神で、景行天皇(オオタラシヒコオシロワケノスメラミコト)、代成務天皇(ワカタラシヒコノミコト)、仲哀(タラシナカツヒコノスメラミコト)の総称だったりしないだろうか?

生玉夏祭 猿田彦

④神武、東征して浪速の渡を超えて河内湖に入る。

生國魂神社は初代神武天皇が創建したと伝わる。

初代神武天皇はもともとは日向に住んでいたのだが、あまりに国の端だということで、東征の旅に出た。
そして浪速の渡を超えて湾に入り、日下の楯津(東大阪市日下) に上陸した。
そこではニギハヤヒを奉じる長髄彦が神武を待ち構えていた。

神武軍vs長髄彦軍の戦いとなったが、神武は敗れ、南に迂回して熊野を越え大和にいたる作戦をとる。
そして神武は再び長髄彦と戦って勝利し、初代天皇として即位したのである。

浪速とは現在の大阪市あたりの古名だが、現在とはかなり地形が違っていた。
内陸にまで湾が入り組み河内湖と呼ばれていたのだ。
河内湖の北限は現在の枚方市付近、東限は現在の東大阪市付近だったとされる。
現在の大阪市はほとんど湖だったようだが、上町台地あたりは陸だった。
上町台地とは大坂城・天満橋~上本町~阿倍野~住吉大社~清水丘と南北に続く約12kmの台地である。
生國魂神社はかつては現在の大阪城のあたり、上町台地にあった。

生玉夏祭 白杖代 
神や天皇の杖代わりとなって奉仕する者のことを御杖代(みつえしろ)という。白杖代も御杖代のひとつだと考えられる。

⑤足島大神は長いスネ(下腿)を持った神?

畿内入りした神武と闘った相手が、長髄彦という名前であることに注目してほしい。
長髄彦とは長いスネ(下腿)をもった男子という意味ではないだろうか?
すると、足島大神とは長髄彦のことではないのかとも思えてくる。

つまり足島大神とは③に書いたようにタラシ王朝の神であり、長髄彦のことでもあるのではないかということである。
足島大神=タラシ王朝の神=長髄彦

長髄彦はニギハヤヒという神を奉じていたが、ニギハヤヒとは物部氏の祖神で、神武より早く畿内に天下っていたと記紀に記述がある。
ニギハヤヒは物部氏の祖神なので、初代神武以前、畿内には物部王朝があったとする説がある。
ニギハヤヒを奉じる長髄彦もまた物部氏と関係の深い人物だと考えられる。
足島大神=タラシ王朝の神=長髄彦=物部氏の神

⑥初代神武天皇と15代応神天皇は同一人物?

諡号に「神」の字がつく三人の天皇、初代神武天皇と10代崇神天皇、15代応神天皇は同一人物ではないかという説がある。

応神天皇は14代仲哀天皇と神功皇后の間に生まれた御子だが、仲哀天皇が崩御したのち神功皇后が朝鮮半島に出兵したときに生まれそうになった。
そこで神功皇后はお腹に石を置き、冷やして出産を遅らせた。
そして九州の宇美に戻って出産したとされる。

応神天皇は九州の宇美から畿内に向かうのだが、そのルートが神武天皇の東征ルートと重なる。
ここから初代神武と15代応神は同一人物ではないかといわれている。

そしてさきほども述べたように、初代神武天皇が東征して畿内入りするよりもはやく、畿内にはニギハヤヒという物部氏の祖神が天下っていたとされ、
ここから初代神武天皇以前、畿内には物部王朝があったとする説がある。

15代応神天皇=初代神武天皇とすると、12代景行天皇(オオタラシヒコオシロワケノスメラミコト)、13代成務天皇(ワカタラシヒコノミコト)、14代仲哀天皇(タラシナカツヒコノスメラミコト)の3人のタラシ王朝の王は、初代神武以前に畿内に存在していた物部王朝の王ではないかと思われる。


生玉夏祭 鳳輦 

⑦即位することができたのは生島神・足島神のおかげ

生國魂神社の主祭神・生島神・足島神は、平安時代に宮中でも奉斎されている。
また新天皇の即位儀礼の1つ、八十島祭においても主神として祀られていた。
「八十島」とは日本の国土(大八洲)を指すとされる。

古代の河内湖には淀川、大和川、武庫川などによって運ばれた土砂が堆積してできたたくさんの島があり、難波八十島と呼ばれていた。

八十島祭の八十島はこの浪速八十島の神を祀る祭であったとも考えられる。

八十島を祀る八十島祭の主神・生島神・足島神は浪速八十島の神ではないかと考えると、やはり神武天皇以前よりこの地を支配していた長髄彦は生島神・足島神にぴったりな存在のように思える。

長髄彦は河内付近にあった物部王朝の王のひとりであったのではないだろうか。
つまり、12代景行天皇(オオタラシヒコオシロワケノスメラミコト)、13代成務天皇(ワカタラシヒコノミコト)、14代仲哀天皇(タラシナカツヒコノスメラミコト)のうちのいずれかが長髄彦ではないかということである。

それをあとからやってきた神武が国を横取りしたのだろう。
神武は国を横取りしたものの、長髄彦の怨霊の祟りが怖くてしかたなく、神として祀ったのではないだろうか。

また怨霊は十分に慰霊すれば、ご利益を与えてくれる和魂に転じると考えられていた。
つまり天皇に即位することができたのは、長髄彦のおかげ、ということで即位儀礼の八十島祭で長髄彦を生島神・足島神として祀ったのではないかと想像する。

いくたまじんじゃ みこし にゅうじょう 
⑤大阪と長野の深い関係


すでにお話ししたように、生島神・足島神は長野県の生島足島神社の御祭神でもある。

生島足島神社の摂社に諏訪神社があるが、諏訪大社本宮は拝殿後背の守屋山をご神体としている。
守屋山には物部守屋を祀る守屋神社があるが、この物部守屋と長髄彦は関係がありそうである。

長髄彦はニギハヤヒという神を奉じており、妹をニギハヤヒの妻としていた。
ニギハヤヒは物部氏の祖神である。
また物部守屋は大阪府八尾市付近を本拠地としており、大阪市天王寺区にある四天王寺は守屋の土地と奴婢を用いて聖徳太子が建てたとされる。
大阪市中央区の森ノ宮という地名は守屋の宮がなまったものだという説もあり、大阪と長野は深い関係がありそうである。


陰陽 黒と白⑦ 足島大神はタラシ王朝の王で、生島大神はオキナガタラシヒメ(神功皇后)? へつづく~
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