陰陽 黒と白② 干ばつには黒馬、長雨には白馬 よりつづく~
①白鳥になって飛び立ったヤマトタケル大鳥大社の御祭神・ヤマトタケルはもともとはヤマトヲグナという名前だった。
ヲグナは父・景行天皇に命じられて九州に趣き、女装してクマソタケル兄弟の宴会にしのびこんで兄弟を殺した。
死の間際、クマソタケルはヲグナの武勇をたたえて自分の名前をヲグナに献上した。
こうしてヤマトヲグナはヤマトタケルとなった。
その後、イズモタケルを騙して殺し、さらに東国の蛮族を平定した。
ヤマトタケルは次に伊吹山の神を倒しにいくが、神の化身の白い大猪に氷雨を降らされ病を患ってしまう。
病身のヤマトタケルは大和をめざすが、途中、能煩野(三重県亀山市〉で亡くなった。
遺体は能煩野に葬られたが、墓からヤマトタケルの魂が白鳥となって飛びたち、大和国琴引原、河内国古市を経て、最後に大鳥の地に舞い降りた。
そこでこの地にヤマトタケルを祀る神社を建てたといわれる。
②前方後円墳は鳥の目線を意識して作られた?白鳥陵(ヤマトタケルのものと伝わる墓)は奈良県御所市富田、大阪府羽曳野市軽里(軽里大塚古墳)のほか、能煩野など各地にある。
軽里大塚古墳は古市古墳群の中で7番目に大きな前方後円墳である。
これら巨大な前方後円墳は地上から見たのではどんな形をしているのか、全くわからない。
大空高く飛ぶ鳥の目線からであれば、前方後円墳の形は容易に認識できるだろう。
巨大な前方後円墳は鳥の目線を意識して作られているのではないだろうか。
またササキという鳥がいまるが、これに御をつけるとミササギ(陵)となる。
↑ 全長103メートルのナガレ山古墳。このくらいの大きさだったら、地上からでもなんとなく形がわかるが・・・
↑ 全長840メートルの仁徳天皇陵(木が生い茂って丘のように見える部分)は境市庁舎21階展望ロビーから見ても、ぜんぜん前方後円墳だとはわからない。
鳥が仁徳天皇陵の真上に飛び上がって見下ろしたとすると、前方後円墳の形がはっきりとわかるだろう。
仁徳天皇陵
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ANintokuTomb.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3f/NintokuTomb.jpg よりお借りしました。
Copyright © 国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省 [Attribution], ウィキメディア・コモンズ経由で
③死んだ人の霊は鳥になる?ヤマトタケルの魂が白鳥になって飛び立ったとあるが
古の人々は死んだ人の霊は鳥になると考えていたのではないかと思う。

大鳥大社のお賽銭箱には鳳の紋が。(鶏みたいにも見える~)