カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑲ 龍安寺の蹲(つくばい) 「吾唯足知」は宇宙を回転させる呪術だった?
京都市右京区 龍安寺

①龍安寺石庭はカシオペアを表している?
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑥ 龍安寺石庭はカシオペアを模したものだった?
↑ こちらの記事に龍安寺石庭はカシオペア座を表しているのではないかと書いた。
図を見れば一目瞭然である。

石庭もカシオペア座もアルファベットのМの形をしているが、石庭は向かって左側が広いのに対し、カシオペア座は向かって右側が広い。
向きが逆だが、天球上に星座が張り付いているものとし、天球の上からカシオペア座を眺めたとすると龍安寺石庭のような形に見える。

②7つの陵の被葬者は七福神のイメージ?
石庭周辺の地図を見ていて、あっと思った。
石庭の北に7つの陵があったのだ。

被葬者 | 生没年 | 在位 |
第59代 宇多天皇 | 867-931 | 887-836 |
第64代 円融天皇 | 959-991 | 969-984 |
第66代 後一条天皇 | 980-1011 | 986-1011 |
第69代 後朱雀天皇 | 1009-1045 | 1036-1045 |
禎子内親王(第67代三条天皇の皇女・第69代後朱雀天皇皇后) | 1013-1094 | |
第70代 後冷泉天皇 | 1025-1068 | 1045-1068 |
第71代 後三条天皇 | 1034-1078 | 1068-1073 |
禎子(ていし/さだこ/よしこ)内親王のみ女性である。
7人の貴人の中に紅一点というのは七福神(蛭子・大黒・毘沙門天・布袋・弁財天・福禄寿・寿老人)を思い出させる。
七福神の中の弁財天のみ女神である。

③鞍馬七福神は北斗七星の神?
龍安寺の話に入る前に、簡単に鞍馬寺の呪術の復習をしておこう。
下図は鞍馬寺の境内図である。

高田祟史さんが、七福神は北斗七星の神であるというようなことをおっしゃっていた。
鞍馬七福神はその配置が北斗七星とはかなり異なるが、北斗七星の神は変形されることが多いようで
星田妙見宮(大阪府交野市)の北斗七星の神々も北斗七星の形に配置されていなかった。

星田妙見宮 境内図 (文・禄・巨・貧・破・武・廉とあるのが北斗七星の神だが北斗七星の形に配置されていない。)
鞍馬七福神は北斗七星の神なのかもしれない。
④由岐神社はカシオペア座の神?
鞍馬寺境内にある由岐神社はカシオペア座の神ではないかと思う。
940年、朱雀天皇は世の中を安泰にするため、由岐神社を宮中から鞍馬へ遷宮させた。
このとき関東でおこった平将門の乱は平定されていたが、南海の藤原純友の乱は平定されていなかった。
由岐神社は藤原純友の乱平定を目的として遷宮されたのではないかと思う。
そして由岐神社の祭礼・鞍馬の火祭で行われるチョッペンの儀では、二人の青年があおむけになって足をⅤ字形に開脚する。
二人で開脚するのでカシオペア座の形・・・W字形に見える。
動画をお借りしました。
動画主さん、ありがとうございます。
そして藤原純友は海賊の首領で、愛媛県の日振島を本拠地としていたのですが、なんとこの日振島もカシオペア座の形・W字形をしている。
⑤カシオペア=藤原純友、鞍馬七福神=平将門、北極星=いのちの像?
由岐明神とは藤原純友のことで、藤原純友はカシオペアの神だと考えられていたのではないだろうか?
そして加門七海さんが、関東の平将門関連史跡の配置が北斗七星の形になっていると指摘されている。
鞍馬七福神は平将門を祀っているのではないかと思う。
すると、由岐神社と鞍馬七福神をつなぐ場所にある「いのちの像」は北極星をイメージしたものではないだろうか。
つまり、カシオペア(藤原純友)と北斗七星(平将門)を、北極星(いのちの像)につなぎとめることで、
同時期におこった藤原純友の乱・平の将門の乱を平定し、
また彼らの怨霊が暴れないようにするという呪術ではないかと思うのだ。

鞍馬寺 いのちの像

詳しくはのこちらの記事をお読みください。↓
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑨ 『チョッペンの儀はカシオペアを表している?』
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑩ 『鞍馬七福神は北斗七星の神?』

④龍安寺石庭=カシオペア座、七つの陵=北斗七星、蹲(つくばい)=北極星?
由岐神社と鞍馬七福神の関係を復習したところで、龍安寺の話に戻ろう。
もう一度、龍安寺周辺の図を見てほしい。

龍安寺石庭はカシオペア座をイメージしたものだと思われるので、
七つの陵は七福神をイメージしたものであると同時に、北斗七星をイメージしたものであるようにも思える。
なんとなく、鞍馬寺境内図にも似ている。
すると、石庭と七つの陵をつなぐ位置にある蹲(つくばい)は北極星を表しているのではないだろうか?

龍安寺 蹲(つくばい)
龍安寺の蹲は中央の□を部首とみなし、上から右回りで読むと「吾唯足知(吾、唯足るを知る/われ、ただたるをしる)」と読める。

この蹲にはなぜ「吾唯足知」と書いてあるのだろうか?
なにか哲学的な意味があるようにも思えるが、私はこの哲学的なイメージはフェイントだと思う。
私はこれは哲学は関係なく、北極星を回転させる装置ではないかと考えている。
すべての星は北極星を中心にして左回りに回る。
しかし、さきほども述べたように、星座が天球にはりついているものとし、天球の上から星座を眺めると右回りとなる。
そして「吾唯足知」と読むためには、蹲に刻まれた文字を右回りに読む。
つまり、参拝者が蹲を見て「吾、唯足るを知る」と読むたびに、蹲の回転のパワーが作動するという呪術なのではないだろうか?


龍安寺の石庭や蹲は哲学とはあんまり関係ないのかも。

カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑳ 『二上山はカシオペア座で三輪山は北斗七星?』 へつづく~
トップページはこちらです→ カシオペア・北斗七星・北極星の呪術① 伝香寺 『陰蔵相のあるはだか地蔵』
毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!
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