カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑰ 『江戸の町は北極星になぞらえて造られた?』
東京都新宿区 東京都庁
皇居 (江戸城跡)
①江戸は四神相応の地に作られていない。
江戸は四神相応の地に作られていると聞いたことがある。
四神とは玄武(北の守護神)・朱雀(南の守護神)・青龍(東の守護神)・白虎(西の守護神)の四聖獣のことをいう。
詳しい説明はこちら→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E7%A5%9E
そして玄武は丘陵(山)、朱雀は湖沼(海)、青龍は川、白虎は大道に棲むといわれ、
北に丘陵(山)、南に湖沼(海)、東に川、西に大道がある土地を四神相応の地といい、大変縁起のいい場所とされている。
平安京の北には船岡山・南には巨椋池(現存せず)・東には鴨川・西には山陰道があり、平安京は四神相応の地に作られたといえるだろう。
(平安京は四神相応の地に作られていないとする説もあるが)
そして、江戸の町は北に富士山・南に江戸湊・東に平川・西に東海道があるので四神相応の地につくられているというのだ。
えっ??
ちょっ、ちょっと、待ったーーー!

皇居 (江戸城跡)
①江戸は四神相応の地に作られていない。
江戸は四神相応の地に作られていると聞いたことがある。
四神とは玄武(北の守護神)・朱雀(南の守護神)・青龍(東の守護神)・白虎(西の守護神)の四聖獣のことをいう。
詳しい説明はこちら→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E7%A5%9E
そして玄武は丘陵(山)、朱雀は湖沼(海)、青龍は川、白虎は大道に棲むといわれ、
北に丘陵(山)、南に湖沼(海)、東に川、西に大道がある土地を四神相応の地といい、大変縁起のいい場所とされている。
平安京の北には船岡山・南には巨椋池(現存せず)・東には鴨川・西には山陰道があり、平安京は四神相応の地に作られたといえるだろう。
(平安京は四神相応の地に作られていないとする説もあるが)
そして、江戸の町は北に富士山・南に江戸湊・東に平川・西に東海道があるので四神相応の地につくられているというのだ。
えっ??
ちょっ、ちょっと、待ったーーー!
方角 | 聖獣 | 聖獣の棲む場所 | 平安京 | 江戸 |
北 | 玄武 | 丘陵 山 | 船岡山 | 富士山? |
南 | 朱雀 | 湖沼 海 | 巨椋池 | 江戸湊? |
東 | 青龍 | 川 | 鴨川 | 平川? |
西 | 白虎 | 大同 | 山陰道 | 東海道? |

上の写真は東京都庁展望ロビーより富士山の夕景を撮影したものである。
富士山の背後に広がっているのは夕焼けに染まった西の空である。
上の地図を見ればわかるように、富士山(赤印)の位置は江戸(東京)の西南西で、江戸の北ではない。
それなのになぜ、富士山が江戸の北にあるなどと言われているのだろうか?
江戸の北には麹町台地があり、麹町台地が玄武の丘陵に相当するとする説もある。
しかし江戸の町が作られたとき麹町台地は削られ平らな土地にされている。
玄武という聖獣が棲む山を削るとは思えないし、削って平らにしてしまったら四神相応の地ではなくなってしまうという反論をネット上で読んだ。
まったくそのとおりである。
また江戸の北にある麹町台地に登れば富士山が見えるので、富士山が玄武の丘陵に相当するとの説もある。
しかし、皆さんはこれを聞いて納得できるだろうか?
私にはこじつけのようにしか思えない。
また江戸の町を作った徳川家康や家康のブレーン・天海がそんないい加減な人間だったとも思えない。
しかし、家康や天海が江戸の町をここに定めたのは、富士山の位置を考慮した上でのことではないかと私は考えている。
②日振島はカシオペア座になぞらえられていた?
愛媛県宇和島市の日振島はカシオペア座を左右反転させたような形をしている。
図①

カシオペア座のWは向かって左側のVが広いのに対し、日振島のWは向かって右側のVが広くなっている。
しかし星座が天球上にはりついているものとし、天球の上から神様が星座を見下ろしたとすると、カシオペア座は日振島のように向かって右側のvが広い形に見えるはずである。
図②

古の人々は自分本位に左右を考えず、対面する神様の身になって左右を考えた。
たとえば、記紀に次のような話がある。
黄泉の国から戻ったイザナギが左目を洗ったところ天照大神が、右目を洗ったところ月読命が、鼻を洗ったところスサノオが生まれた。
これは陰陽道の宇宙観を適用したものだろう。
陰陽道では、東を太陽の定位置、西を月の定位置、中央を星とするのだ。
地図では「左が西で右が東だ」と言われるかもしれないが、それは正しくは「向かって左が西で向かって右が東」というべきなのだ。
地図の側にたつと、左が東で右が西となる。
また薬師三尊像は中央に薬師如来、中尊の左手側に日光菩薩、中尊の右手側に月光菩薩を配置する。
つまり中央にある薬師如来とは星の神なのだ。
③鳴門の渦潮は北極星になぞらえられていた?
日振島がカシオペア座だとすると、北鳴門の渦潮は北極星ではないだろうか。
全ての星は北極星を中心にして回る。
それはまるで北極星に夜空を回転させるパワーがあるかのようで、鳴門の渦潮は北極星にぴったりである。

鳴門の渦潮はまれに左回りもあるそうだが、ほとんど右回りである。
夜空の星は北極星を中心にして左回りに回るが、日振島のWはカシオペア座のWと左右が逆転している。
日振島は図②で示したように、天球に貼りついたカシオペア座を天球の上から眺めた形になっているのだ。
天球の上から天球にはりついた星座を眺めるとすれば、夜空の回転方向も左回りではなく右回りに見えるはずである。
また古の日本は九州から関東あたりまでで、ちょうど鳴門の渦潮あたりが日本の中心になる。

④三上山は北斗七星になぞらえられていた?
琵琶湖には三上山にすむムカデを藤原秀郷が退治したという伝説があるが、藤原秀郷は平貞盛とともに平将門の乱平定に派遣された人物である。
琵琶湖のほとりの三上山にすむムカデとは平将門を比喩したものだと思う。
そして加門七海さんが東京の将門関連史跡の鎧神社・鬼王神社・築土八幡・神田明神・将門の首塚・兜神社・水稲荷神社をつなぐと北斗七星の形になっていると指摘されている。
平将門は北斗七星の神だということで、藤原秀郷の三上山のムカデ退治伝説は創作されたのではないかと思う。
カシオペア=日振島
北斗七星=三上山
北極星=鳴門の渦潮


日本には何とも壮大な呪術が仕掛けられていたのである。
⑤江戸は徳川家康が作った新たな北極星の都市だった?
江戸は平安京のような条坊制の町ではなく、江戸城を中心に「の」の字を描くように堀が作られていた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Edo_hori.png
よりお借りしました。
江戸中心部の堀、門等配置略図。著作権切れ(パブリックドメイン)の絵図の画像をSafkanさんが加工されたものです。
「の」の字は鳴門の渦潮と同じ右回りである。
徳川家康と天海が江戸の町を「の」の字を描くような町にしたのは、日本に江戸という新たな北極星をつくり、江戸を中心として日本をまわそうという呪術であったのではないだろうか?
⑥筑波山はカシオペア座になぞらえられた?
江戸が北極星だとすると、カシオペア座や北斗七星になぞらえた場所が江戸の近くにも設定されているのではないだろうか。

西側から望んだ筑波山
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AMt.Tsukuba.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/87/Mt.Tsukuba.jpgよりお借りしました。
作者 RESPITE (photo by RESPITE) [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で

カシオペア座は北極星の下にあるときは錨の形に似ているので錨星、北極星の上にあるときは山形に見えるので山形星と呼ばれた。
上図は地球上から山形星を見上げた図である。(ヘタクソな図ですいません。)
これを左右反転させると、向かって右の山が高く、向かって左の山が低くなる。
筑波山の南南西にある江戸から筑波山を望んでも、向かって右の山が高く、向かって左の山が低く見えるはずである。
筑波山はカシオペア座になぞらえられているのではないだろうかか。
⑦富士山は北斗七星になぞらえられた?
上の地図の赤印のところが筑波山である。
筑波山・東京(江戸)・富士山の位置関係に注目してほしい。
私たちは三上山や男体山・赤城山など、そばに湖がある台形の形をした山が北斗七星を表しているらしいことを見てきた。
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑮ 日光にもあったカシオペアと北斗七星、北極星
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑮日振島・鳴門の渦潮・三上山に仕掛けられた壮大な呪術
江戸を北極星、筑波山をカシオペアとすると、富士山は北斗七星を表しているように思えないだろうか。


家康と天海は、筑波山をカシオペア、富士山を北斗七星に見立て、その中心にある江戸を北極星に見立て、江戸を渦を撒く町として作ったのではないだろうか?
⑧将門関連史跡は北斗七星を左右反転した形になっている?
江戸の町が右回りの渦巻きを描く町で、北極星になぞらえた町だとすると、ひとつ問題がでてくる。
加門七海さんが関東の将門関連史跡をつなぐと北極星の形になると指摘されている。
下の地図の将門関連史跡が形作る北斗七星の下、千代田区の文字がある緑色の部分が皇居(江戸城跡)である。
江戸城を北極星、将門関連史跡を北斗七星に喩えるとおかしなことになってしまうのだ。
江戸の町を北極星に喩えたとき、その回転方向は「の」の字、すなわち右回りであり、私たちが見上げる空とは左右が逆転していることになる。
当然、星座も左右逆転させなければ整合性がとれない。
北斗七星を左右逆転させると、下図のようになる。
そう、将門関連史跡が形作る北斗七星は、上下が逆転しているのだ。

平将門は怨霊としてしられている。
関東の将門関連史跡は北斗七星を上下逆にすることで、平将門という怨霊を和霊に変えようという呪術なのかもしれない。
トップページはこちらです→ カシオペア・北斗七星・北極星の呪術① 伝香寺 『陰蔵相のあるはだか地蔵』
毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!
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