カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑱ 富士山は本当に北斗七星になぞらえられているのか?
①江戸=北極星
前回の記事で、江戸の町は北極星に、筑波山はカシオペア座に、富士山は北斗七星になぞらえられているのではないかという話をした。
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑰ 『江戸の町は北極星になぞらえて造られた?』
すべての星は北極星を中心に左回りに回る。
まるで北極星には夜空を回転させるパワーがあるかのようだ。
星が天球に張り付いているものとし、神様が天球の上から眺めたと想定した場合、すべての星は北極星を中心に右回りに回る。
江戸の町は江戸城を中心に「の」の字を描くように堀が掘られているが、これは江戸の町が北極星になぞらえられているのではないだろうか。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Edo_hori.png
よりお借りしました。
江戸中心部の堀、門等配置略図。著作権切れ(パブリックドメイン)の絵図の画像をSafkanさんが加工されたものです。
②筑波山=カシオペア座
そして筑波山はⅯ字形をした山でカシオペア座に似ている。

西側から望んだ筑波山
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AMt.Tsukuba.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/87/Mt.Tsukuba.jpgよりお借りしました。
作者 RESPITE (photo by RESPITE) [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で

上図は地球上からカシオペア座を見上げた図である。(ヘタクソな図ですいません。)
①で説明したように、天球の上からカシオペア座を見下ろしたと想定すると、上の図を左右反転させなければならない。
するとカシオペア座は、向かって右の山が高く、向かって左の山が低くなる。
筑波山の南南西にある江戸から筑波山を望んでも、向かって右の山が高く、向かって左の山が低く見えるはずである。
筑波山はカシオペア座になぞらえられているのではないだろうか。
③湖のそばにある台形の山=北斗七星?
北極星・カシオペア座ん比べ、北斗七星はわかりにくい。
というのは、北斗七星は変形された形で祀られることが多いようなのだ。
星田妙見宮では境内に北斗七星の神を祀っているが、北斗七星の形になっていない。

星田妙見宮 境内図 (文・禄・巨・貧・破・武・廉とあるのが北斗七星の神だが北斗七星の形に配置されていない。)
三上山・男体山・赤城山など、どうやら、湖のそばにある台形の山を北斗七星になぞらえることが多かったようである。
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑮ 日光にもあったカシオペアと北斗七星、北極星
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑮日振島・鳴門の渦潮・三上山に仕掛けられた壮大な呪術

富士山の北には富士五胡がある。
また、その位置関係からみても、江戸を北極星、筑波山をカシオペアとすると、富士山は北斗七星を表しているように思える。

これをもう少し掘り下げて考えてみたいと思う。
⑦聖徳太子、黒馬(北斗七星)に乗って富士山(北極星)に行く。
次のような伝説がある。
昔、甲斐の駒城(こまじろ)で黒馬が生まれた。
黒馬は四本の脚のみ白い四白の馬で、ひずめは金色だった。
この馬が成長すると奈良の聖徳太子に献上された。
聖徳太子が馬にまたがると、黒馬は猛スピードで天へと駆け上った。
そして黒馬の故郷・駒じろの里へ降り立ったのち、再び天へ舞い上がり富士山の頂上を巡って都に戻った。
将門の子孫を称する相馬家は家紋に『繋ぎ馬』を使用していた。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ACrestOfSoumaClan.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8b/CrestOfSoumaClan.jpg よりお借りしました。
作者 正親町三条 (投稿者自身による作品) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], ウィキメディア・コモンズ経由で
この馬は平将門にしか乗りこなせない黒馬なので、杭につながれているのだと言われている。
私はこの紋の馬は北斗七星を表しているのではないかと考えた。
頭から首にかけての部分が北斗七星の升の部分、胴体が持ち手部分である。
そしてふたつの杭は北極星とカシオペア座を表しているのではないかと思う。
馬=北斗七星は、北極星につながれ、さらに錨星(カシオペア座が北極星よりも下にあってW形に見えるときには錨星、北極星の上にあってⅯ字形に見えるときには山形星と呼ばれた。錨は船をつなぎとめる道具)にも繋がれて二重につなぎ留められているように見えるではないか。
下の図で、錨=藤原純友と書いたのは、彼が海賊の首領で本拠地の日振島がカシオペア座の形をしているためである。

カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑫ 『繋ぎ馬は北極星とカシオペア座につながれた北斗七星?』
これをふまえて考えると、聖徳太子の乗った黒馬も北斗七星をあらわすものではないかと思われる。
それゆえ、馬は天に駆け上ったと表現されたのではないだろうか。
そしてその馬は富士山をめぐって都に戻ったとあるが、それは富士山が北極星になぞらえられているからではないだろうか。
北斗七星は北極星の周囲をめぐっているだろう。
⑧天に昇った白い蛇は山を巻く雲?
『浅間御本地由来記』には次のような話がある。
下野国の長者の姫の前に美しい青年があらわれ、「私は月の桂男である。あなたの胎内を借りて人間に生まれ、人々を救いたい」と言い、
白い蛇に姿を変え娘の胎内に宿った。
こうして生まれた子と母が富士権現・浅間大菩薩である。
ここに白い蛇が登場するが、これは富士山の周囲のリング状に生じた雲の比喩ではないだろうか。

https://search.yahoo.co.jp/image/search?p=%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E5%B1%B1+%E9%9B%B2&ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa
富士山には山を取り囲むような雲がよく発生するようである。
下は近江富士と呼ばれる三上山の俵藤太百足退治伝説を描いたものである。(瀬田の唐橋案内板より)

この山に巻き付く百足もまた雲の比喩であるかもしれない。
⑨玄武は北極星の周囲をめぐる北斗七星?

上は星田妙見宮にあった玄武(北方守護の聖獣)を描いた旗である。
上部に描かれた7つ星は北斗七星だと思うが、変形した形で描かれている。
そして蛇はその上部に描かれた7つ星と同じような形をしている。
亀は北極星を、蛇は北斗七星をあらわしているのではないだろうか。
俵藤太の伝説では山を七巻半しているのは蛇ではなく百足である。
もともと三上山を七巻半していたのは美しい娘に化けていた蛇であったが、のちにムカデに三上山を乗っ取られたということなのかもしれない。
あるいは、ムカデは蛇の変形バージョンであるとも考えられる。
坑道のことを隠語で百足穴などという。
鉱山でない山は蛇が巻きついた山、鉱山はムカデが巻き付いた山というふうに表現しているのかもしれない。
ただし、古の三上山が鉱山であったかどうかはわからない。
話を玄武に戻そう。
つまり、玄武とは亀=北極星、蛇=北斗七星が合体した聖獣であり、北斗七星が北極星の周囲をめぐるようすを亀と蛇に喩えたものではないかと思える。
ということは、本来富士山や三上山は北極星であり、そこに巻き付いた雲が北斗七星に喩えられたのだろうが
いつのまにか、富士山や三上山は北斗七星に喩えられるようになり、
北極星=江戸(鳴門の渦潮)、カシオペア座=筑波山(日振島)、北斗七星=富士山(三上山)になぞらえられるようになったのかもしれない。


カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑲ 龍安寺の蹲(つくばい) 「吾唯足知」は宇宙を回転させる呪術だった? へつづく~
トップページはこちらです→ カシオペア・北斗七星・北極星の呪術① 伝香寺 『陰蔵相のあるはだか地蔵』

この山に巻き付く百足もまた雲の比喩であるかもしれない。
⑨玄武は北極星の周囲をめぐる北斗七星?

上は星田妙見宮にあった玄武(北方守護の聖獣)を描いた旗である。
上部に描かれた7つ星は北斗七星だと思うが、変形した形で描かれている。
そして蛇はその上部に描かれた7つ星と同じような形をしている。
亀は北極星を、蛇は北斗七星をあらわしているのではないだろうか。
俵藤太の伝説では山を七巻半しているのは蛇ではなく百足である。
もともと三上山を七巻半していたのは美しい娘に化けていた蛇であったが、のちにムカデに三上山を乗っ取られたということなのかもしれない。
あるいは、ムカデは蛇の変形バージョンであるとも考えられる。
坑道のことを隠語で百足穴などという。
鉱山でない山は蛇が巻きついた山、鉱山はムカデが巻き付いた山というふうに表現しているのかもしれない。
ただし、古の三上山が鉱山であったかどうかはわからない。
話を玄武に戻そう。
つまり、玄武とは亀=北極星、蛇=北斗七星が合体した聖獣であり、北斗七星が北極星の周囲をめぐるようすを亀と蛇に喩えたものではないかと思える。
ということは、本来富士山や三上山は北極星であり、そこに巻き付いた雲が北斗七星に喩えられたのだろうが
いつのまにか、富士山や三上山は北斗七星に喩えられるようになり、
北極星=江戸(鳴門の渦潮)、カシオペア座=筑波山(日振島)、北斗七星=富士山(三上山)になぞらえられるようになったのかもしれない。



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毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!
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