カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑫ 『繋ぎ馬は北極星とカシオペア座につながれた北斗七星?』 よりつづく~
①藤原純友財宝伝説
藤原純友が本拠地としていた日振島には藤原純友の財宝が隠されているという伝説が伝えられているそうである。
ソースはこちら→
https://www.youtube.com/watch?v=o_hroRCodls 0:22より
その伝説によれば藤原純友の財宝は99の大壺にぎっしり詰められており、「
金つぼは 7つにわけて7並べ 紫つつじのもとにこそあれ」と伝えられているのだという。
「金つぼは 7つにわけて7並べ 紫つつじの もとにこそあれ」というのは財宝の隠し場所を示す暗号のようなものではないかと思う。
②金つぼ→金のうつぼ?
「金つぼは」は、「金のうつぼは」という意味ではないか。940年9月9日、朱雀天皇が大地震や相次ぐ争いを鎮めるため由岐神社を御所から鞍馬へ遷宮したと伝わる。
このとき関東の平将門の乱はすでに鎮圧されていたが、南海の藤原純友の乱はまだ鎮圧されていなかった。
由岐神社は藤原純友の乱平定を祈願して御所からこの地(鞍馬)に遷宮されたのだと思う。
そして由岐神社の祭礼である鞍馬の火祭りでは氏子さんたちは腕に船頭篭手(せんどうごて)をつける。
しかし鞍馬は山中で海はない。
鞍馬川という川はあるが水量が少なく、舟の運航に適した川のようには思われない。
氏子さんたちが腕に船頭篭手をつけるのは藤原純友率いる海賊のいでたちではないかと考えた。
向かって右の男性が腕につけているのが船頭篭手由岐神社は靭(ゆき)明神ともよばれるが、靭とは矢を入れる道具のことである。
靭は「うつぼ」とも読まれるが、同名の魚がいる。
大変凶暴な魚で「海のギャング」とも言われていいるが、九州や四国地方では食用にされている。
靭明神は語呂合わせから魚のうつぼの神としても信仰されたことだろう。
そして「海のギャング」と呼ばれるうつぼは海賊の首領であった藤原純友にぴったりのイメージだと思う。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AKidako_moray.JPG
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/46/Kidako_moray.JPG よりお借りしました。
作者 User:rydia (投稿者自身による作品) [CC BY-SA 2.5 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5)], ウィキメディア・コモンズ経由で上の写真を見ると、ウツボはなんとなく金色をしているようにも見える。
「金つぼ」とは「金のうつぼ」で、藤原純友のことを言っているのではないだろうか。
③7つに分けて7並べ→北斗七星?「7つに分けて7並べ」とは北斗七星のことではないか。
鞍馬の火祭りで行われるチョッペンの儀は二人の青年があおむけになって足をⅤ字に開脚する。
ふたりで開脚するのでWのように見える。
↓ すばらしい動画があったのでお借りしました。動画主さん、ありがとうございます!
藤原純友が本拠地としていた日振島はwの形をしており、チョッペンに似ている。
藤原純友が本拠地としていた日振島はカシオペア座の形をしている。
また日振島はカシオペア座にも似ている。

日振島は向かって右側のⅤの幅が広いのに対し、カシオペア座は向かって左側のⅤの幅が広い。
しかし、星座が天球に張り付いているものと考え、その天球の上からカシオペア座を眺めたとすると向かって右側のⅤの幅が広く見えるはずである。

由岐明神はウツボの神であると同時にカシオペア座の神でもあり、藤原純友のことでもあると思う。
そして、鞍馬寺境内には鞍馬七福神がある。
高田祟史さんは七福神とは怨霊であり、北斗七星となって永遠の北極星の周囲を回ることで怨霊の祟る力が封じられているのではないかととおっしゃっていた。
鞍馬七福神の配置は北斗七星の形をしていないが、星田妙見宮の北斗七星を祀る神々の配置も北斗七星の形をしていなかった。
どうやら北斗七星は変形されることがあるようである。

星田妙見宮 境内図 (文・禄・巨・貧・破・武・廉とあるのが北斗七星の神だが北斗七星の形に配置されていない。)

星田妙見宮にあった玄武(北方守護の聖獣)を描いた旗。
上部に描かれた7つ星は北斗七星だと思うが、変形した形で描かれている。
また加門七海さんが関東の将門関連史跡をつなぐと北斗七星の形になると指摘されている。
そして、由岐神社と鞍馬七福神をつなぐ場所には「いのちの像」がある。

いのちの像 すべての星は北極星を中心にして回る。それはあたかも北極星に宇宙を回転させるパワーがあるかのようだ。いのちの像の3つの輪は北極星の宇宙を回転させる力を表現しているのではないだろうか。
いのちの像・・・北極星
由岐神社・・・・カシオペア座・・・藤原純友
鞍馬七福神・・・北斗七星・・・・・平将門

由岐明神(カシオペア/藤原純友)と鞍馬七福神(北斗七星/平将門)はいのちの像(北極星)の周囲を永遠にまわりつづけることでその祟る力が封じられているのではないだろうか。
さらにカシオペア座は北極星の上にあってⅯの形に見えるときは山形星、北極星の下にあってWの形に見えるときは錨星と呼ばれた。
錨とは船をつなぎとめるための道具である。
北斗七星は北極星につなぎとめられているだけでなく、錨星(カシオペア座)にも二重につなぎとめられているのだ。
将門の子孫を称する相馬家は家紋に『繋ぎ馬』を使用していた。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ACrestOfSoumaClan.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8b/CrestOfSoumaClan.jpg よりお借りしました。
作者 正親町三条 (投稿者自身による作品) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], ウィキメディア・コモンズ経由で
私はこの紋の馬は北斗七星を表しているのではないかと思う。
頭から首にかけての部分が北斗七星の升の部分、胴体が持ち手部分である。
そしてふたつの杭は北極星とカシオペア座を表しているのではないだろうか。
つまり、鞍馬寺境内には次のような呪術が仕掛けられていると思うのだ。
北斗七星(馬=平将門)を北極星(いのちの像)につなぎとめる。これが鞍馬七福神である。
カシオペア座(日振島=藤原純友)を北極星(いのちの像)につなぎとめる。これが由岐神社(靭明神)である。
カシオペア座は錨星でもあり、この錨で北斗七星(馬=平将門)を二重につなぎとめる。
③紫つつじ→鞍馬の火祭りの松明の材料「紫つづじのもとにこそあれ」というのは財宝は鞍馬山にあるという意味だと思う。紫つつじとは「コバノミツバツツジ」のことである。
二荒山神社 中宮祠 コバノミツバツツジ
そして、なんと鞍馬の火祭で用いられる松明の材料が「コバノミツバツツジ」なのだ。
由岐神社のお旅所で見たDVDでは、「コバノミツバツツジは採取が難しいが、火持ちがいいためこれを松明の材料にしている。」とのことだった。
ここでもう一度、藤原純友財宝伝説の歌を見てみよう。
「
金つぼは 7つにわけて7並べ 紫つつじのもとにこそあれ」
この歌は、「金のウツボ(藤原純友)は7つにわけて北斗七星にされ、紫つつじ(コバノミツバツツジ)の松明のもと(鞍馬寺)にある。」という意味ではないかと思う。
藤原純友の財宝は99の大壺につめられているというが、鞍馬寺には九十九折(つづれおり)の道と呼ばれる参道があり、関連性があるように思われる。
④鞍馬寺は鉱山だった?
↑ 上の写真は鞍馬寺に展示されていたムカデを描いた茶碗である。
なぜ鞍馬寺にはムカデを描いた茶碗があるのだろうか。
坑道のことを隠語でムカデ穴ともいう。
坑道はあちこちに枝分かれするような形で掘り進められることが多く、それをムカデの足に喩えたのだろう。
鞍馬寺の現在の本尊は尊天(毘沙門天・千手観音・護法魔王尊の総称)だが、もともとは毘沙門天を本尊としていた。
毘沙門天はもともとはインドの神クベーラで、夜叉を使役して貴金属や宝石を採掘させる神だった。
クベーラは鉱山の神だといっていいと思う。
鞍馬寺は鉱山の神を祀る寺だったのである。
東大寺大仏殿 多聞天(毘沙門天は四天王の一としては多聞天と呼ばれる。)
ただし、鞍馬寺が鉱山だったかどうかはわからない。
近くに二ノ瀬という地名があり、二ノ瀬は丹の瀬で、かつては丹が採れたのではないかと考えたりもするが。
⑤山形星の呪術で鞍馬山で財宝が採掘される?③のところで、私は次のように書いた。
いのちの像・・・北極星
由岐神社・・・・カシオペア座・・・藤原純友
鞍馬七福神・・・北斗七星・・・・・平将門
これが正しければ、由岐神社(カシオペア座)と鞍馬七福神(北斗七星)はいのちの像を中心にして右回りに回転をすると考えられていたということになると思う。

カシオペア座は、北極星の上にあってⅯ字形に見えるときは山形星、北極星の下にあってW字形に見えるときは錨星と呼ばれていた。
鞍馬山は実際には鉱山ではなかったかもしれないが、由岐神社=カシオペア座=山形星の呪術で鉱物のめぐみが得られると考えられていたのかもしれない。
カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑬ 走田神社 『お千度詣りの渦巻きは北極星のパワーを表す?』 へつづく~
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