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カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑤ 薬師寺 『イザナギは天、イザナミは地』

カシオペア・北斗七星・北極星の呪術④ 鳴門の渦潮 『国生みは鳴門の渦潮で行われた?』  よりつづく~

奈良市西ノ京町 薬師寺

Triad of Yakushi Nyorai

薬師三尊像(薬師寺)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ATriad_of_Yakushi_Nyorai.JPG
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3b/Triad_of_Yakushi_Nyorai.JPG よりお借りしました。
作者 日本語: 小川晴暘(1894-1960) 仏像写真家 飛鳥園創業者) English: Ogawa Seiyou (1894-1960), a famous photographer in Japan [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で


①薬師三尊像

仏像の安置形式に薬師三尊像がある。
中央に薬師如来を置き、薬師如来の左は日光菩薩、薬師如来の右には月光菩薩を配置するものである。

薬師如来は南向きに安置されている。
従って薬師如来の左にある月光菩薩は東に、薬師如来の右にある月光菩薩は西に安置されていることになる。

薬師寺 朝日


②『左』と『向かって左』の違い。


もしかすると、こんな風に思われる方がいるかもしれない。
「地図では東は右で、西は左だ。薬師如来の左が日光菩薩で右が月光菩薩というのは間違いではないのか。」と。

しかし、「東は右で、西は左」というのは正確には「向かって東が右で、向かって西が左」なのだ。

私たちは自分本位に自分の右手の側にあるものを右、左手の側にあるものを左と言いがちだが、
古の人々は、自分本位に左右を考えるのではなく、薬師如来の立場になって左右を考えた。

私たちと薬師如来は対面しているので左右が逆になる。

地図を見る場合にも私たちと地図は対面する形になる。
地図の側に立てば、東は左で、西は右となる。

薬師寺 月


③薬師三尊像は陰陽道の宇宙観に基づいて配置されている?
左(東)太陽日光菩薩
中央薬師如来
右(西)月光菩薩


陰陽道の宇宙観では、東を太陽の定位置・西を月の定位置・中央を星とするそうである。
もしかすると薬師三尊像はこの陰陽道の宇宙観に基づいて配置されているのではないか。
とすれば、中尊の薬師如来は星の神ということになる。

薬師寺 ひめじおん


④イザナギは宇宙を神格化した神だった。

日本書記や古事記に次のような話がある。

黄泉の国から戻ったイザナギが禊をしたとき、左目を洗うと天照大神が、右目を洗うとから月読命が、鼻を洗うとスサノオが生まれた。


この記述もまた、陰陽道の宇宙観に基づくものではないだろうか。
イザナギの顔が宇宙なのだ。

薬師寺と東大寺大仏殿と興福寺三重塔

⑤スサノオは星の神だった。
左目(東)太陽天照大神日光菩薩
中央)スサノオ薬師如来
右目(西)月読命月光菩薩

とすればイザナギの顔(=宇宙)の中心にある鼻から生まれたスサノオは星の神だということになる。

船場俊昭さんは、「素戔鳴尊(スサノオノミコト)は、これは輝ける(素)ものを失って(戔)ああ(鳴)と嘆き悲しむ神(尊)という意味で、スサノオはもともとは星の神だったのが、のちに星の神という神格を奪われたのてはないか。」とおっしゃっている。

また日本では神仏は習合されていたので、天照大神は日光菩薩と同体、月読命は月光菩薩と同体、スサノオは薬師如来と同体と考えられていたのではないかと思う。

星の神・スサノオは太陽神・天照大神よりも上位の神だったのだ。

薬師寺 花会式 追儺

⑥イザナギは天の神、イザナミは地を神格化した神

⑤で私はイザナギは宇宙を神格化した神だと書いたが、この宇宙という言葉は天という言葉に置き換えてもいいだろう。
そして、渦巻きの呪術④ 鳴門の渦潮 『国生みは鳴門の渦潮で行われた?』  でお話ししたように、鳴門の渦潮はイザナミの女陰だと考えられるので、イザナミは地(地球)の神だということになる。

また陰陽思想では天や男は陽、地や女は陰と考える。
陰陽思想から考えても、イザナギを天の神・イザナミを地の神と考えるのは辻褄があっているように思える。

イザナギ天=宇宙
イザナミ鳴門の渦巻きはイザナミの女陰


若草山山焼き4
 


カシオペア・北斗七星・北極星の呪術⑥ 龍安寺石庭はカシオペアを模したものだった? へつづく~
トップページはこちらです→ カシオペア・北斗七星・北極星の呪術① 伝香寺 『陰蔵相のあるはだか地蔵』 

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