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シロウトが高松塚キトラ古墳を考えてみた。まとめnew⑥ 日像・月像



『キトラ古墳は語る/来村多加史(生活人新書)』における来村多加史氏の意見
『黄泉の王』における梅原猛氏の意見
『高松塚被葬者考 天武朝の謎/小林恵子 現代思潮社(1988年)』における小林恵子氏の意見はピンク色で、
ネット記事の引用は青色で、私の意見などはグレイの文字で示す。

間違っているところなどがあれば教えていただけるとありがたいです。

①天文図について

高松塚古墳には日像・月像、星宿図、キトラ古墳には日像・月像、天文図が描かれている。
そこで、これらの像について見てみる前に、簡単に基礎知識を勉強しておこうと思った。

キトラ天文図

上はキトラ古墳天文図のイメージ図である。
赤色で描かれている円、外規、内規、黄道については、のちに高松塚星宿図・キトラ古墳天文図について述べる際に説明する。

まずは天文図の東西南北について。
地図では北を上にした場合、向かって右が東、向かって左が西になるが
天文図の場合は北を上にした場合、向かって右が西、向かって左が東になる。
キトラ天文図もそうなっている。

なぜこうなるかというと、地図の場合は地面を見下ろし、天文図の場合は見下ろすためだ。
地図の場合は顔を下にしてうつぶせに寝転び、天球図の場合は顔を上にして仰向けに寝転ぶと考えたほうがわかりやすいかもしれない。
普通の人はくどくど説明しなくても理解できるのだろうが、私は空間認識能力が鈍いので(汗)、図を描いてみた。

天文図と地図

②地球の自転について。

地球は24時間かけて一周している。
というより、地球が一周する時間を24時間と決めたと言った方が正しい。

上記記事には次のような内容が記されている。

・地球と月の距離が少しずつ長くなっており、それに伴って地球の自転速度も遅くなっている。
・地球は月の引力の影響を受けていて、月の位置によって満潮と干潮が起こります。その「潮汐力(月が地球を引っ張る力)」によって、1年に3.82センチのペースで、月は地球から離れていっている。
・地球から月までの距離
現在・・・約38万キロメートル
14億年前・・・34万900キロメートル
・地球から月までの距離に加え、地球の自転スピードも14億年前は今より速かった。
・14億年前の1日は18.68時間だった。
・1日の長さは、かつて、太陽が真南に位置する時刻から、次に太陽が真南にのぼるまでの平均時間を、24時間として定義された。
・現在はセシウム原子の振動数を基準にした「原子時計」を用いている。
・「原子時計」によって地球の自転は一定ではなく、わずかに遅くなったり速くなったりしていることが判明した。
・原子時計にもとづいた時刻と天文時でズレが0.9秒以内になるように、必要に応じて1秒単位の「うるう秒」を挿入して補正している。

↑こちらの記事には次のような内容が記されている。

・原子時計が発明されて以来、最も短い1日が観測された。
・2022年6月29日の地球の自転時間は、通常の1日24時間より1.59ミリ秒短かかった。
・1950年代以来、原子時計が使われている。
・太古の地球には1日の長さがもっと短い時代があった。
・恐竜がまだ生息していた7000万年前、1日の長さは約23時間半だったという研究結果もある。
・地球の自転速度は1820年代以来、減速が記録されていたが、ここ数年は加速し始めているという。
・自転速度がわずかに速くなった理由は不明。氷床の融解によって陸地が移動する「氷河性地殻均衡」が原因か。

つまり、長期的に見た場合は地球の自転速度は遅くなってきているが、近年のみの自転速度を見ると、遅くなったり速くなったりしていてその原因は不明、ということだ。

②地球の公転について。

地球は約365.25日で太陽の周囲を一周している。

1日は少しずつ長くなっている--地球の変化と公転速度を解説

・地球の公転が減速するにつれ、日の長さの平均時間も長くなっている。
・1日の長さは、100年ごとに平均して1.8ミリ秒(1,000分の1秒)長くなっている。
・日が長くなる理由は、月の重力による引力の作用によって、地球内部(固体部分)周囲に変位が起こり、隆起が生じること。
・地球が公転するにつれ、隆起群は月から遠ざかるが、月がそれらを再び引き戻す。
これによって地球の公転が遅くなる。
・数学的に言うと、地球にかかる月の引力が作用するなら、地球の公転はさらに遅くなるはず。
・100年ごとの日の長さの延長は2.3ミリ秒になる計算。
・しかし、実際には日の遅延はたったの1.8ミリ秒。地球の公転を速めている要因が他にあるはず。
・そのうちの1つの要因は、最後の氷河期。
その時期の氷の重みは地球の両極をわずかに押し下げましたが、その後、現在のように氷がほぼなくなり、両極がまた押し上がってきています。これによって、地球の多くの質量が両極付近に移動し、地球の公転を速めている。
・もうひとつ考えられる原因は地球の核とマントル。

公転と自転のスピードは関係しているだろうと思うが、具体的にどのように関係し、作用しているのかはよくわからなかった。

そうではあるが、自転も公転も長期的にはスピードが遅くなっていると考えればいいだろう。

地球の公転と自転のイメージは、下の動画がわかりやすい。


上の動画で、地球は「青い部分(太陽の光が当たっている部分)」と「黒い部分(太陽の光が当たっていない部分」がある。
この「青い部分」と「黒い部分」は面積が変化しているが、それは本来3次元(縦・横・高さの三つの次元)であるものを2次元(平面)で描いているため、見かけ上の面積が変化するためである。
実際には、常に「青い部分」と「黒い部分」の面積は1:1であるはずだ。

夏至の図


③地軸の傾きと季節、冬至・春分・夏至・秋分。

上の動画「地軸の傾きと季節」に描かれているように、地球の地軸(北極と南極をつなぐ線)は公転軸に対して約23.4度傾いている。
この地軸の傾きによって季節が生じる。

「上から見た図」を見ていただくとお分かりいただけると思うが、地軸の傾きは公転に従って変化するのではなく、
常に北極点が東に傾いたまま公転する。

北極点が太陽に近いとき、北半球では夏になる。
この時、南半球では太陽から遠くなるため冬になる。

上の動画では0:06あたりで、北極点が最も太陽に近くなっている。
この時、北半球は南半球に比べてより多く太陽の光があたる。
北半球では、この時点が夏至で、1年でもっとも昼が長く、夜が短い。
南半球ではこの時点が冬至で、1年で最も昼が短く、夜が長い。

夏至のとき

北極点が太陽から遠いとき、北半球では冬になる。
この時、南半球では太陽に近くなるため夏になる。
上の動画では0:01あたりと0:11あたりで、北極点が最も太陽から遠くなっている。
この時点が冬至。
北半球では1年でもっとも昼が短く、夜が長い。
南半球では1年でもっとも昼が長く、夜が短い。

冬至のとき

動画「地軸の傾きと季節」では、0:14あたりが春分、0:18あたりが秋分である。
このとき、地軸は太陽に対して垂直になっている。

春分点、秋分点にあるとき、地球のどの場所にいても、昼と夜の長さが同じになる。
地球から見て、太陽は真東から登り、真西に沈む。

春分・秋分のとき


上の動画は全部見てもいいが、特に7:00あたりの図がわかりやすい。

ということは、冒頭に示したキトラ天文図は若干のずれはあるのかもしれないが、真東に日が、真西に月が描かれているので、春分または秋分をあらわしているのではないか?
時間帯としては、朝である。
日が東から昇った時、西にはまだ月が残っている。そんな状態を描いたもののようにも思える。

④月の出が毎日約50分ずれるのはなぜ?

月の出る時刻は毎日約50分ずれる。これは何故だろうか。
地球は西から東に約24時間かけて自転している。
月は地球のまわり(360°)を約30日かけて公転している。
月は1日で地球の周囲を12°公転する。(360°÷30=12°/日)❶
地球は24時間で1周(360°)する。地球は1時間で15°動く。(360°÷24時間=15°/時)
地球は1分で0.25°動く。(15°÷60分=0.25°/分)
月が地球の周囲を12°公転するのに必要な時間は48分≓50分
(12°÷0.25°=48分)


実際には地球も公転していて、1日に1度ほど(360°÷365日≒1.12°)反時計回りにずれるので、厳密にいえばこの地球の公転による位置のずれも考える必要があるのだろうが、おおざっぱに月の出は1日に約50分ずれる、と考えておけばいいだろう。

⑥日の出時刻、日の入時刻について

日の出時刻、日の入時刻のほうは、月の出入時刻よりも複雑だ。
月の出入り時刻のほうが複雑でないのは、月の自転軸は公転面に対してほぼ垂直(1.5°)であり、季節がないためである。
すでに述べたように、地球は公転面に対して約24°傾いているため季節が生じる。
季節とは、太陽の日照時間の変化、およびそれに伴う気温の変化の事だといってもいいかもしれない。

リンク先の図が分かりやすいと思う。

地球の公転は1日で約1度ずれる。(360°÷365日=0.98≓1°/日)
夏至のころ(実際には数日ずれる)日の出時刻は最も早くなり、日の入時刻は遅くなる。
夏至付近で折り返して日の出時刻は遅くなっていき、日の入り時刻は早くなっていく。
日の出時刻が最も遅くなるのは冬至ごろ(実際には数日ずれる)である。
ここから折り返して再び日の出時刻は早く、日の入時刻は遅くなっていく。

⓻東に太陽、西に月が見えるのはいつ?

菜の花や 月は東に 日は西に/与謝蕪村

月は東の空から昇って間もなく、太陽はもうすぐ西の地平線に沈もうとしている夕方の光景を詠んだものである。
これは、太陽がほぼ真正面から月を照らしている状態であり、したがって月は満月に近い状態である。
私は実際にこのような光景を見たことがある。
場所は奈良斑鳩の里、法隆寺に近い法起寺付近だった。
このあたりには高い建物がなく、空が広い。ここへ私は満月の写真を撮りに行ったのだが
月を撮影しながら、ふりかえってみると、まだ夕日が西の空に残っていた。

ひむがしの 野に炎の 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ /柿本人麻呂

東の野に炎(かぎろひ)が立っているというのは、日の出前に朝焼けが広がっている光景を思わせる。
そしてふりかえって西を見ると月がいままさに沈もうとしている、というのだ。

これはまだ日が出ていない状態の様に思われるが、「菜の花や 月は東に 日は西に」の逆で「日は東に 月は西に」というような状態になることはあるだろうか。

記事の最初にキトラ古墳天文図の写真を貼ったが、金色の陽が東に、銀色の月が西に描かれている。
これは「日は東に 月は西に」という状態である。
高松塚の星宿図は天井に日像・月像は描かれていないが、東壁上部に日像、西壁上部に月像が描かれている。

高松塚古墳 レイアウト図

有明の月 ありあけのつき
上記記事によれば、「月齢15前後〜29までの月」が有明の月であるという。
有明の月の状態になる機会は多いのだ。
しかし、太陽と月が地平線に近い状態で見える機会はどのくらいあるのだろうか。

2024年の大阪の日の出、月の入、日の入、月の出、時刻を 「大阪(大阪府)のこよみ」で調べて、「日の出と月の入時刻」または「月の出と日の入時刻」が1時間以内のものをピックアップして、朝は赤、夕方は青で
その中でも30分以内のものは太字で示した。
さらに、日と月が同時に見れるものにアンダーラインを引いた。

その結果、日と月が同時に見えることは朝・夕ともあるが、特に規則性はないように思った。
(1年分しか調べていないが、本当は数年分調べるべきだろう。汗)
そうではあるが、高松塚・キトラ古墳の日像は東、月像は西に描かれているので春分または秋分の満月に近い日を描いたものなのかもしれないと思った。
春分、秋分には彼岸の行事が行われるが、もしかして古墳壁画の東に日像、西に月像を描くことと関係があるのだろうかと考えたりした。

細かい時間を見るのがメンドクサイという人は飛ばして次へ。

※月の出入時刻と日の出入時刻は、定義が違うので注意。
月の出・月の入の時刻・・・月の中心が地平線または水平線に一致する時刻
日の出・日の入の時刻・・太陽の上辺が地平線または水平線に一致する時刻
日の出・・・太陽が地平線または水平線から見え始める瞬間
日の入・・・太陽が地平線または水平線に沈みきって見えなくなった瞬間

”一方、月は形が変わるため、頂点と地平線との関係で「出」と「入り」を定義することができません。したがって、月の中心が地平線と重なった瞬間を「月の出」「月の入り」の時刻と定義しています。”
太陽と月の南中時刻の求め方と季節変化 それぞれの共通点・相違点は?より引用

※太陽の視直径(見かけ上の大きさ)・・・約0.5°(満月とほぼ同じ大きさ)①
太陽が天球(360°)を一周する時間・・・約24時間
太陽が1時間で天球を移動する角度・・・・・・360°÷24時間=15°
太陽が1分で天球を移動する角度・・・・・・・15°÷60分=約0.25°②
太陽の「出始め」から「出終わり」までに要する時間・・・①÷②=0.5°÷0.25°=2分

太陽は垂直には昇ってこないので、2分よりも時間がかかる。
日本では通常、太陽の「出始め」から「出終わり」まで、2分20秒~40秒ぐらいかかる。

月の視直径(見かけ上の大きさ)・・・約0.5°(満月)③
月は1日で地球の周囲を12°公転する。
月が1日に天球を移動する角度・・・360°+12°=372°
月が1時間で天球を移動する角度・・・372°÷24時間=15.5°
月が1分で天球を移動する角度・・・15.5°÷60分=0.258°④
満月の「出始め(満月の上部が見え始める瞬間)」から「出終わり」までに要する時間※0.5°÷0.258°=1.94≓2分
月は垂直には昇ってこないので、2分よりも時間がかかる。
どのくらいかかるかは調べてもわからなかった。
但し、「月の出・月の入の時刻」の定義は「月の中心が視地平線または水平線に一致する時刻」だった。
満月が地平線より半分出ている状態が月の出ということになる。
満月が地平線から完全に出るためには、1分よりも時間がかかるということになると思う。

1月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
24   15:41  6:06    12.6 7:02 17:18     
25   16:42  6:52    13.6 7:01 17:19
26   17:43    7:31     14.6 7:01 17:20
27   18:42    8:03     15.6    7:00   17:21 
28   19:40    8:31     16.6    7:00   17:22 


2月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
23  16:35  6:06  13.2    6:36   17:48
24  17:33    6:35  14.2     6:35   17:49  
※6:35は月が半分見えており、日が正に昇ろうとする瞬間。地平線が見えるならば、ぎりぎりで月も日もみえるだろう。
25    18:30    7:00  15.2   6:33  17:50 
26    19:25     7:24 16.2   6:32  17:50 
27    20:21     7:46  17.2     6:31  17:51

3月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
23  16:24    5:05    12.7 5:58 18:12 
24     17:20    5:29    13.7   5:56 18:13 
25     18:15    5:51    14.7   5:55  18:14 
※18:15、月は半分でている状態で、日は1分前の18:14に沈み切っている。月は1分くらいで半分でてくるので、太陽と月の両方が見えるかどうか、微妙だと思う。
26     19:11  6:14    15.7  5:53  18:15 
27     20:09    6:37    16.7    5:52 18:15

4月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
22  17:04    4:19     13.4 5:18 18:36
23  18:02    4:42     14.4 5:17    18:37 
24  19:02    5:07     15.4 5:15   18:37 
25  20:04    5:35     16.4 5:14   18:38 
26  21:07    6:08     17.4 5:13   18:39

5月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
21     16:51   3:09     13.0   4:51  18:59
22     17:53   3:36     14.0   4:50  18:59 
23     18:57   4:08     15.0   4:50  19:00 
24     20:02   4:46     16.0   4:49  19:01
25      21:05  5:32     17.0   4:49  19:02

6月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
20  17:48    2:41   13.6   4:45   19:14
21     18:52    3:24  14.6    4:45   19:15
22     19:53    4:17  15.6    4:46   19:15 
23      20:47   5:18  16.6    4:46   19:15 
24      21:33   6:27  17.6     4:46  19:15 

7月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
19     17:39    2:03  13.2  4:59  19:10
20     18:36    3:01  14.2  4:59  19:09 
21      19:27   4:08  15.2  5:00  19:09
22       20:09  5:21  16.2  5:01  19:08
23       20:45  6:35  17.2  5:02  19:07 

8月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
18  18:01    2:56  13.7      5:21  18:43 
19     18:40   4:11   14.7      5:21  18:41 
20     19:14   5:26   15.7      5:22  18:40 
21     19:45   6:39   16.7      5:23  18:39 
22     20:14   7:52    17.7     5:24  18:38

9月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
16      17:09  2:58    13.0     5:42 18:04 
17      17:41  4:13    14.0     5:42  18:02 
18   18:11   5:26    15.0     5:43  18:01 
19   18:41   6:40    16.0     5:44  17:59 
20      19:13   7:54    17.0  5:45  17:58 

10月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
16  16:37   4:12     13.3 6:33  16:53 
17     17:08   5:25     14.3 6:34  16:52 
18     17:42   6:40     15.3   6:35   16:52 
19     18:21   7:57     16.3 6:36  16:51
20   19:07  9:13      17.3   6:37  16:51 

11月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
15   16:11  5:27     13.6   6:32   16:53 
16     16:53  6:44     14.6   6:33   16:53 
17     17:44  8:00   15.6 6:34  16:52
18     18:43  9:10     16.6  6:35 16:52 
19      19:4710:12  17.6    6:36  16:51 

12月
日付 月出 月入 月齢 日出 日入
15      16:24  6:46    13.9    6:58  16:49
16      17:26  7:53    14.9    6:58  16:49 
17      18:33  8:49  15.9   6:59  16:49 
18      19:41  9:36    16.9    7:00  16:50 
19      20:46 10:13   17.9    7:00  16:50 

⓻高松塚の日像、月像は金銀箔がはぎとられていた。

・高松塚の日と月の金銀箔がはぎとられている。(梅原猛氏)

高松塚 日像

高松塚 日像(高松塚壁画館似て撮影)

高松塚 月像

高松塚 月像(高松塚壁画館似て撮影)

日像・月像・玄武の剥落は盗賊が驚いてこれらをつぶしたという説がある。
これについて梅原氏はつぎのようにおっしゃっている。

・死体をあばく盗賊がどうして玄武の絵などに恐怖をもとう。(梅原猛氏)

この梅原氏の意見には同意する。

・日月は金箔、銀箔をはがすためだという人があるが、金箔・銀箔は日月より天井により多く貼られているではないか。(梅原猛氏)

私は「金箔銀箔をはがすため」という可能性はあると思う。
天井の金箔をはがすために腕を上にあげるのはきつい作業になる。壁の金箔をはがす方が作業は楽そうだ。

・「死体には最初から頭蓋骨が無く、日月玄武は最初から傷つけられていた」
その理由は「死体を蘇らせないため」(梅原猛氏)

玄武

高松塚 玄武

②キトラ古墳 日像・月像には八咫烏、兎・樹木・ヒキガエルが描かれていた?

キトラ 日像

キトラ 日像

キトラ 月像

キトラ月像

・キトラ日像上部右寄りに黒い鳥の羽と尻尾の先端がある。八咫烏が描かれていたのだろう。
(永泰公主の墓にある八咫烏と一致する。)
月像月輪下部中央に器物の高台、左に曲がった獣の脚、上部に樹木の葉がある。(来村多加史氏)

・ウサギは崑崙山で西王母のために生薬を杵つき不老不死の薬を作っている。樹木は不老不死の生薬となる。
ヒキガエルも描かれていたと考えられる。高松塚にも描かれていたのではないか。(来村多加史氏)

③高松塚・キトラ古墳の日像・月像の下にある赤線は日の出、日の入りの海の色?

・(永泰公主墓・高松塚、どちらにも同様の海島と海が表現されているので)赤線は日の出、日の入りの海の色だろう。(来村多加史氏)


リンク先に、永泰公主墓の日輪図のイラストが掲載されているが、海ではなく山岳と雲海のように見える。
来村氏は海だとおっしゃるが、梅原氏は雲だとおっしゃっていた。
どちらが正しいかわからないが、日・月を雲の上に乗せる表現は後年の熊野勧心十戒曼荼羅や北野天満宮の三光門にもみられる。
ただし、キトラ古墳壁画のように線であらわすのではなく、もくもくとした雲である。

三光門 太陽?

北野天満宮 三光門

熊野勧心十戒曼荼羅

熊野勧心十戒曼荼羅

来村多加史氏は「日の出・日の入の海の色」とおっしゃっているが、もし日像・月像の下にひかれた赤線が海であるとすれば、それは日の入ではなく、日の出の海の色ではないかと思う。
その理由は、太陽が東に、月が西に描かれているからだ。
陰陽道の宇宙観では太陽の定位置を東、月の定位置を西、中央を星とするのだという。
高松塚・キトラ古墳の日像・月像は陰陽道の宇宙観に従って表現しただけかもしれないが、太陽が東に、月が西にあるのは日の出のときだからだ。

高松塚日像、月像は剥ぎ取られているため、よくわからないが、
日像は赤い線より上に、月像は赤い線から3分の2ほど出ているように思える。
赤い線が海だとすれば、日が昇り切り、月は3分の1ほど水平線に沈んだ状態をえがいたものなのかもしれない。

キトラ古墳のほうは、日像・月像ともに赤い線の中ににわずかに沈み込んでいる。


シロウトが高松塚キトラ古墳を考えてみた。まとめnew⓻ 高松塚星宿図・キトラ天文図・二十八宿  へつづく~
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