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「東大はノーベル賞が少ない」はカウントの仕方によるトリックかも?

1⃣東大はノーベル賞受賞者が少なく、京大・名大の方が多い?

ある著名な方が
「東京大学の先生は研究は大してできない。ノーベル賞も研究者は東大は少なく、京都大学、名古屋大学のほうが多い。」
とおっしゃっていた。

本当だろうかと思って、調べてみた。

2⃣2023年時点での、ノーベル賞受賞者出身大学ランキング

2023年時点での、ノーベル賞受賞者出身大学ランキングを見てみよう。

1位 9人  東京大学
1位 9人  京都大学
3位 3人  名古屋大学
4位 2人  大阪大学
5位 1人  明治大学
5位 1人  東北大学
5位 1人  埼玉大学
5位 1人  大阪公立大学
5位 1人  東京理科大学
5位 1人  熊本大学
5位 1人  神戸大学
5位 1人  北海道大学
5位 1人  東京工業大学
5位 1人  鹿児島大学
5位 1人  長崎大学
5位 1人  徳島大学
5位 1人  山梨大学

ノーベル賞受賞者出身大学ランキング 最終更新日:2023/7/16  より引用

2023年時点で日本人のノーベル賞受賞者は合計28人。
上記ランキングの数字を足すと32人になるのは、二つ以上の大学に通った人がいるためである。
これを見ると卒業大学は東大が最も多い。

3⃣日本人ノーベル賞受賞者

以下、「京都大学 ノーベル賞受賞者」にあった「日本人のノーベル賞受賞者一覧」を引用させていただいた。

日本人のノーベル賞受賞者一覧

 受賞年   賞         氏名等        備考
2021年  物理学賞     真鍋 淑郎(東京大卒)  プリンストン大学上席研究員(受賞時:米国籍)
2019年  化学賞      吉野 彰 (京大卒)    旭化成株式会社名誉フェロー 名城大学教授
2018年  生理学・医学賞  本庶 佑 (京大卒)    京都大学高等研究院副院長・特別教授
2016年  生理学・医学賞  大隅 良典 (東京大卒)  東京工業大学特任教授(受賞時)
2015年  物理学賞     梶田 隆章 (埼玉大卒)  東京大学教授(受賞時)
     生理学・医学賞   大村 智 (山梨大卒) 北里大学特別栄誉教授(受賞時)
2014年    物理学賞                赤﨑 勇 (京大卒) 名城大学教授(受賞時)
                                    天野 浩 (名大卒) 名古屋大学教授(受賞時)
                                       中村 修二 (徳島大卒) カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授(受賞時:米国籍)
2012年    生理学・医学賞      山中 伸弥 (神大卒) 京都大学iPS細胞研究所長・教授(受賞時)
2010年    化学賞                    根岸 英一 (東大卒) 米国パデュー大学特別教授(受賞時)
                                    鈴木 章 (北大卒) 北海道大学名誉教授(受賞時)
2008年 物理学賞                   南部 陽一郎 (東大卒) 米国シカゴ大学名誉教授(受賞時:米国籍)
                   小林 誠 (名大卒) 高エネルギー加速器研究機構名誉教授(受賞時) 元京都大学理学部助手                
                    益川 敏英 (名大卒) 京都大学名誉教授(受賞時)
        化学賞      下村 脩 (長崎大卒) 米国ボストン大学名誉教授(受賞時)
2002年       化学賞      田中 耕一 (東北大卒) 株式会社島津製作所フェロー(受賞時)
        物理学賞 小柴 昌俊 (東大卒) 東京大学名誉教授(受賞時)
2001年       化学賞 野依 良治 (京大卒) 名古屋大学理学部教授(受賞時)
2000年       化学賞 白川 英樹 (東工大卒) 筑波大学名誉教授(受賞時)
1994年       文学賞 大江 健三郎 (東大卒) 作家
1987年       生理学・医学賞 利根川 進 (京大卒) 米国マサチューセッツ工科大学教授(受賞時)
1981年       化学賞 福井 謙一 (京大卒) 京都大学工学部教授(受賞時)
1974年       平和賞 佐藤 栄作 (東大卒) 元内閣総理大臣
1973年       物理学賞 江崎 玲於奈(三高→東大卒) 米国IBMワトソン研究所主任研究員(受賞時)
1968年       文学賞 川端 康成 (東大卒) 作家
1965年       物理学賞 朝永 振一郎 (京大卒) 東京教育大学教授(受賞時)
1949年       物理学賞 湯川 秀樹 (京大卒) 京都大学理学部教授(受賞時)


3⃣少しでも在籍していればカウントする。

しかし、「ノーベル賞も研究者は東大は少なく、京都大学、名古屋大学のほうが多い。」という発言は
卒業大学ではなく、在籍して研究している大学のことであるという。

調べてみると「名大なぜノーベル賞を量産するのか 東大をも凌ぐ理由」という記事が見つかった。

記事タイトルをよむと、名古屋大学が東京大学よりもノーベル賞受賞者が多いと思ってしまうが、
記事は2015年4月26日のもので、「2001年以降の日本人ノーベル賞受賞者13人中6人が、名大の関係者だったからだ。」とある。
ノーベル賞の発表は10月なので、「2001年から2014年までの14年間では名大関係者が多い」という話なのだ。

名古屋大学卒業者は3名、名古屋大学教員は3名。 。
京都大学の卒業者は2名、教員は4名。
東京大学の卒業者は3人。
としている。

同様の記事は複数みつかったが、いずれも2014年~2015年ごろの記事で、内容もほとんど同じである。

ノーベル賞出身大学ランキング 日本の大学別だと名古屋大学が多く東京大学・京都大学が少ない?
こちらの記事は2018年の記事だが、一度でも在籍していれば「少しでも在籍していれば1つという数え方」としており、
カウントの対象は平和賞と文学賞を除く2000年以降としている。

「名大なぜノーベル賞を量産するのか 東大をも凌ぐ理由」という記事も同様の数え方をしている。

4⃣2023年の時点で2014年の記事を引っ張り出してくるのは不適切

記事は2014年のもので古い。現在は2023年で、2014年から9年もたっている。
こんな古い記事の情報に頼っていてもしかたがない。
2023年までのノーベル賞受賞者ひとりひとりの経歴についてみてみよう。
/の後に在籍経歴のある日本の大学名を記す。(卒業大学と同じものは省いた)


 受賞年   賞         氏名等        備考
2021年  物理学賞     真鍋 淑郎(東京大①卒) プリンストン大学上席研究員(受賞時:米国籍)/名古屋大学①
2019年  化学賞      吉野 彰 (京大①卒)    旭化成株式会社名誉フェロー 名城大学教授/大阪大学
2018年  生理学・医学賞  本庶 佑 (京大②卒)    京都大学高等研究院副院長・特別教授/東京大学②・大阪大学
2016年  生理学・医学賞  大隅 良典 (東京大③卒)  東京工業大学特任教授(受賞時)/総合研究大学院大学
2015年  物理学賞     梶田 隆章 (埼玉大卒)  東京大学④教授(受賞時)
     生理学・医学賞   大村 智 (山梨大卒) 北里大学特別栄誉教授(受賞時)/ 東京理科大学
2014年  物理学賞     赤﨑 勇 (京大③卒) 名城大学教授(受賞時)/名古屋大学②
               天野 浩 (名大③卒) 名古屋大学教授(受賞時)/ 名城大学
                                       中村 修二 (徳島大卒) カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授(受賞時:米国籍)
2012年 生理学・医学賞         山中 伸弥 (神大卒) 京都大学④iPS細胞研究所長・教授(受賞時)/ 大阪市立大学・奈良先端科学技術大学院大学
2010年 化学賞                       根岸 英一 (東大⓹卒) 米国パデュー大学特別教授(受賞時)/北海道大学
                                     鈴木 章 (北大卒) 北海道大学名誉教授(受賞時)/岡山理科大学・倉敷芸術科学大学
2008年 物理学賞                  南部 陽一郎 (東大⑥卒) 米国シカゴ大学名誉教授(受賞時:米国籍)/ 大阪市立大学・大阪大学
                   小林 誠 (名大④卒) 高エネルギー加速器研究機構名誉教授(受賞時)/京都大学⓹               
                 益川 敏英 (名大⓹卒) 京都大学⑥名誉教授(受賞時)/東京大学⓻・京都産業大学
     化学賞      下村 脩 (長崎大卒) 米国ボストン大学名誉教授(受賞時)/長崎医科大学・名古屋大学⑥
2002年 化学賞      田中 耕一 (東北大卒) 株式会社島津製作所フェロー(受賞時)
     物理学賞    小柴 昌俊 (東大⑧卒) 東京大学名誉教授(受賞時)
2001年 化学賞      野依 良治 (京大⓻卒) 名古屋大学⓻理学部教授(受賞時)

2000年 化学賞      白川 英樹 (東工大卒) 筑波大学名誉教授(受賞時)
1994年 文学賞      大江 健三郎 (東大⑨卒) 作家
1987年 生理学・医学賞  利根川 進 (京大⑧卒) 米国マサチューセッツ工科大学教授(受賞時)
1981年 化学賞      福井 謙一 (京大⑨卒) 京都大学工学部教授(受賞時)/京都工芸繊維大学
1974年 平和賞      佐藤 栄作 (東大⓾卒) 元内閣総理大臣
1973年 物理学賞     江崎 玲於奈(三高→東大⑪卒) 米国IBMワトソン研究所主任研究員(受賞時)
1968年 文学賞      川端 康成 (東大⑫卒) 作家
1965年 物理学賞     朝永 振一郎 (京大⓾卒) 東京教育大学教授(受賞時)
1949年 物理学賞     湯川 秀樹 (京大⑪卒) 京都大学理学部教授(受賞時)/大阪大学・東京大学⑬


上のリストから、2001年以降の、「東京大学、京都大学、名古屋大学と関係のある人物の数」をそれぞれカウントしてみよう。
私は数を数えるのが苦手なので、番号をふっておいた😅。
数え間違いがあれば教えてほしい。

東京大学8(外国籍を除けば7)、京都大学7、名古屋大学7 (外国籍を除けば6)

※「どこ(大学、企業など)で行った研究がノーベル賞をとったのかをカウントするべきではないか」という意見もあったので、ざっとノーベル賞受賞者の経歴などを調べてみたが
在籍大学、企業が変わっても、研究者は連続して同じ研究を行っているケースも多いように思ったので、こちらのやり方でのランキングは出していない。


6⃣65年間の中の14年間のみとりあげることに意味はあるか。
 
また、どこで区切るかで、割合は大きく変わってくる。

2001年から2014年まで、14年しかない。
日本人ノーベル賞受賞者は1949年から2014年までの65年間で28人しかおらず、その中で14年間のみをとりあげることに意味はあるのだろうか。

1949年から2023年までで数えてみると東京大学13(外国籍を除けば12)、京都大学11、名古屋大学7(外国籍を除けば6)
自然科学の分野だけに限ると東京大学11(外国籍を除けば10)、京都大学11、名古屋大学7(外国籍を除けば6)

「名古屋大学すごい」と思うが、やはり東京大学、京都大学のほうが名古屋大学よりも多いということになる。

7⃣学位取得大学でのランキング


上の記事は2018年の記事で学位(学士号・修士号・博士号)取得大学によるランキングを示している。
(文学賞、平和賞をふくむ。)

東京大学11人 京都大学は7人、名古屋大学6人としている。

7⃣実力のある学者はいい大学にポジションを得て移っていく

ノーベル医学生理学賞をとれるぐらいの学者は次々といい大学にポジションを得て移っていくので、受賞を受けた時の大学と実際に研究をした時の大学は違うことが多いです。
また1年に一度発表されるわけだから1年経てば様々なランキングが変わる大学について果たしてどれだけランキングが統計的意味合いを持っていることやら。”
”おそらくいずれを調べてもあまり意味がないかと。


https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10184947200?query=%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E8%B3%9E%20%E5%87%BA%E8%BA%AB%E5%A4%A7%E5%AD%A6%20%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%20%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%AA%E3%81%84 より引用

これはいえるかもしれない、と思った。




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