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ミトコンドリア・イブの誤解


①ミトコンドリアDNAハプログループ

ミトコンドリアDNAとは、細胞小器官であるミトコンドリア内にあるDNAのことである。
母親から娘・息子に伝わる。(受精時に精子にあるミトコンドリアDNAはなくなってしまうため、父親からは伝わらない。)
このミトコンドリアDNAの塩基配列は、突然変異によって変化を繰り返しており、その塩基配列の違いからハプロタイプ、ハプログループ(ハプロタイプのグループ)として分類されている。

⓶ミトコンドリアDNAハプログループの系統順

ミトコンドリアDNAハプログループの系統樹は大きくわけて、ふたつの系統に分類される。

a.アフリカ人のみからなる枝(LOa、LOk、LOd、L1、L2、L3)
b.アフリカ人の一部と、その他すべての人種からなる枝(M、N)

図1
ミトコンドリアイブ2

↑これは大雑把な図である。(ミトコンドリア・イブについては③で説明する。)

Mの下にM1,Q,C,Z,E,G,Dなどが分岐し、
Nの下にN1,X,A,O,S,Bなどが分岐する。

古い順にアルファベットが並んでいるわけではないのでわかりにくいが、これはミトコンドリアDNAハプログループの研究がネイティブ・アメリカンの研究から始まり、まずネイティブ・アメリカンのミトコンドリアDNAハプログループに対してA, B, C, Dと命名されたことが原因のようである。

トーマス・キヴィシルド, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons
よりお借りしました。

③ミトコンドリア・イブはひとりの女性

⓶図1の系統樹の一番上にある「ミトコンドリア・イブ」とは何だろうか。
”ミトコンドリア・イブ(mitochondrial Eve)とは、ヒトについての分子生物学において、現生人類の最も近い共通女系祖先(matrilineal most recent common ancestor)に対し名付けられた愛称。(ミトコンドリア・イブは)約16±4万年前にアフリカに生存していたと推定され、アフリカ単一起源説を支持する有力な証拠の一つである。”

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#より引用

”すると、人類の系図は二つの大きな枝にわかれ、ひとつはアフリカ人のみからなる枝、もう一つはアフリカ人の一部と、その他すべての人種からなる枝であることがわかった。これはすなわち全人類に共通の祖先のうちの一人がアフリカにいたことを示唆する。このように論理的に明らかにされた古代の女性に対して名付けられた名称が「ミトコンドリア・イブ」である。”

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#%E6%A6%82%E8%A6%81 より引用

ウィキペディアは「これはすなわち全人類に共通の祖先のうちの一人がアフリカにいたことを示唆する。」と記している。

「(ミトコンドリア・イブは)約16±4万年前にアフリカに生存していたと推定され、」とあり、ここから
「ミトコンドリア・イブは約20万年前~約12万年前に生存していた」この長い期間に生存していたということは、
ミトコンドリア・イブはひとりではなく、同じミトコンドリアDNAを持つ集団ではないか、と思われる方がおられるかもしれない。

しかし、私はミトコンドリア・イブはウィキペディアの説明にあるとおり(文字通り)「全人類に共通の祖先のうちの一人」という意味だと思う。

ミトコンドリア・イブには母親も祖母も曾祖母もいる。
ミトコンドリア・イブの母親、祖母、曾祖母、さらに遡るミトコンドリア・イブの女系祖先はすべて「現生人類の共通の女系祖先」であり、途中で突然変異をおこしていない限り、同じミトコンドリアDNAハプロググループに属すると思われる。
(しかし突然変異をおこすので、ミトコンドリア・イブの子孫には異なるミトコンドリアDNAハプログループが存在しているのだろう。)

だが、ミトコンドリア・イブの母親、祖母、曾祖母などは、ミトコンドリア・イブとはいわないと思う。
その理由について説明する。

④「約16±4万年前」は誤差を示す。
”しかし、後に(このような数値には必ず±がつき、±がない場合は信憑性を疑うべきであるにも拘らず)最大値の20万年前が一人歩きし、ヒトがそれまでの説より数万年さかのぼり、20万年も前から存在したことが証明されたという誤解を生じた。(実際に対象とした塩基配列数と標本数を比較すると4万年という誤差は妥当な値である。)”

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#%E8%A7%A3%E8%AA%AC より引用

「約16±4万年前」とは「最大で20万年前~最小で12万年前」ということであり、人類の発祥が20万年前と証明されたことではない、と書いてある。
また、塩基配列数と標本数を比較すると4万年という誤差は妥当な値とのこと。

「±4万年」とは、誤差であって、ミトコンドリア・イブと呼ばれる集団が20万年前~12万年前に存在していたという事ではない。
ミトコンドリア・イブはウィキペディアが記すように「一人の女性」であり、その一人の女性が存在していたと考えられるのが「約16±4万年前」すなわち「最大で20万年前~最小で12万年前」という意味だろう。


⑤Y染色体アダムはミトコンドリア・イブの夫ではない。

この結果は、2000年(平成12年)にネイチャー・ジェネティクス誌において発表された、スタンフォード大学のピーター・アンダーヒルとカヴァッリ・スフォルツァらのグループによる父親から息子にのみ伝わるY染色体を用いた同様の検討によっても、ほぼ同じパターンが確認された[2]。これはY染色体アダムと呼ばれることがある。Y染色体アダムは6万年前頃に生存していたと見られるが、当然のこととしてミトコンドリア・イブの夫である可能性は無い。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#%E8%A7%A3%E8%AA%AC より引用

この結果というのは、「ミトコンドリア・イブ」の存在が推定されるに至った研究結果のことである。
Y染色体アダムは6万年前頃に生存していたと考えられており、Y染色体アダムはミトコンドリア・イブの夫ではないのである。

④「すべての人類はたった一人の女性からはじまった」のではないが、「ミトコンドリア・イブは複数人いる」という意味ではない。

”これらの科学的成果は一般にも大変興味のあるところであり、たちまち広く知られることとなったが、同時に誤解をうむことともなった。特に「すべての人類はたった一人の女性からはじまった」とするものがある。正しくは、「すべての現存する人類は母方の家系をたどると、約12-20万年前に生きていたあるミトコンドリアの型をもつ女性にたどりつく」ということである。この二つの言い方は、方向が逆であるだけでなく、本質的に異なる。「すべての人類はたった一人の女性からはじまった」というのは誤解で、
「すべての現存する人類は母方の家系をたどると、約12-20万年前に生きていたあるミトコンドリアの型をもつ女性にたどりつく」が正しい。”

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%AA%A4%E8%A7%A3 より引用

ここに、
a同時に誤解をうむことともなった。特に「すべての人類はたった一人の女性からはじまった」とするものがある。
b”すべての現存する人類は母方の家系をたどると、約12-20万年前に生きていたあるミトコンドリアの型をもつ女性にたどりつく」が正しい。”
とある。

つまり、
aすべての人類はたった一人の女性からはじまった。・・・✖
bすべての現存する人類は母方の家系をたどると、約12-20万年前に生きていたあるミトコンドリアの型をもつ女性にたどりつく・・・〇

ということだが、申しわけないが、この記述は少し誤解を生みそうに思った。

「一人の女性から始まった」が誤解なら「約12-20万年前に生きていたあるミトコンドリアの型をもつ女性」は複数人いるってこととちゃうの?
と思われないかなと。

bは、「すべての現存する人類は母方の家系をたどると、約12-20万年前に生きていたあるミトコンドリアの型をもつ【ひとり】の女性にたどりつく」と書くべきではないのだろうか。

⑤現生人類の共通の女系祖先の中で「最も近い」のがミトコンドリア・イブ

”ミトコンドリアは女性からしか伝わらないため、男性は自分のミトコンドリアDNAを後世に残すことができない。また、女性は自分が産んだすべての子にミトコンドリアDNAを伝えるが、その子らがすべて男性だった場合、彼女のミトコンドリアDNAは孫に受け継がれずに途切れる。もし子に女性がいても、娘が産んだ孫に女性がいなければ、やはりその家系のミトコンドリアDNAは廃れる。つまりある個人のミトコンドリアDNAが子孫に伝わるためには、その間のすべての世代に少なくとも1人は女性が産まれなければならない。”

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%AA%A4%E8%A7%A3 より引用
上の文章を箇条書きにしてまとめると、次のようになると思う。

・ミトコンドリアは女性からしか伝わらない。
・男性は自分のミトコンドリアDNAを後世に残すことができない。
・女性は息子と娘にミトコンドリアDNAを伝えるが、生んだ子がすべて男性だった場合、彼女のミトコンドリアDNAは孫に受け継がれずに途切れる。
・女性に娘があっても、娘が産んだ孫に女性がいなければ、彼女のミトコンドリアDNAは途切れる。

これをふまえて、ウィキペディアに掲載されている図を見てみよう。

この図は、夫婦から2人の子供が生まれて人口の増減がないとした場合のモデルである。(常に人口は8人)

向かって左、縦に並ぶ数字は世代を、上部・横に並ぶアルファベットは第1世代の4人の女性のミトコンドリアDNAハプロタイプをあらわすのだろう。
ただし、第2世代以下は上部アルファベットのミトコンドリアDNAハプロタイプをあらわしてはいない。
アルファベットが示しているのは、あくまで第一世代のミトコンドリアDNAハプロタイプについてのみである。

ピンク色の〇・・・・ミトコンドリアDNAハプロタイプA
水色の〇・・・・・・ミトコンドリアDNAハプロタイプB
オレンジ色の〇・・・ミトコンドリアDNAハプロタイプC
緑色の〇・・・・・・ミトコンドリアDNAハプロタイプD

と考えればいいと思う。

ここではA・B・C・Dとなっているが、別に他のミトコンドリアDNAハプログループの型でもいい。
ようは、異なるミトコンドリアDNAハプログループの型を持つ4人の女性がいる、ということだ。

〇は女性、□は男性である。

ミトコンドリアイブ説明

上の図を文章で説明すると、次のようになると思う。

ミトコンドリアハプロタイプAは、第1世代→第2世代→第3世代→第4世代まで継承されたが
第4世代の女性が産んだ子供は男子だけだったので、第4世代で途切れた

ミトコンドリアハプロタイプBは第1世代→第2世代→第3世代→第4世代→第5世代→第6世代まで継承された。
また第6世代の女性のミトコンドリアハプロタイプはすべてBになった。

ミトコンドリアハプロタイプCは第1世代→第2世代まで継承されたが
第2世代の女性が産んだ子供は男子だけだったので、第2世代で途切れた。

ミトコンドリアハプロタイプDは第1世代→第2世代→第3世代まで継承されたが
第3世代の女性が産んだ子供は男子だけだったので、第3世代で途切れた。

つまりこの図では、ミトコンドリアハプロタイプBのみが生き残ったということになる。
そうであれば、ミトコンドリアハプロタイプBの第1世代がミトコンドリア・イブなのか、というとそうではない。
図を見ると、ミトコンドリア・イブはミトコンドリアハプロタイプBの第2世代となっている。

ミトコンドリアハプロタイプBについて、もうすこし詳しくみてみよう。

ミトコンドリア・イブ説明

ハプロタイプBの女性の継承のみを表に表してみた。

ミトコンドリアいぶ説明4

”ミトコンドリア・イブはより正確に言えば「現生人類の最も近い共通女系祖先」だと言える(彼女の女系祖先はすべて「現生人類の共通の女系祖先」でもある。その中で「最も近い」のがミトコンドリア・イブである)。”
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#%E8%A7%A3%E8%AA%AC より引用

ここに ”「最も近い」のがミトコンドリア・イブである”と記されている。
すると、aではなく、bがミトコンドリア・イブということになる。

ウィキペディア図の説明のところに、次のように記されている。
”5.もしA6が娘を残さずに死ねば、生き残った人々にとってのミトコンドリア・イブはB2からC3に代わる(B2はB1と同じく、「共通の女系祖先」の一人となる)”

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%AA%A4%E8%A7%A3 より引用
これも図に表してみた。

ミトコンドリアいぶ説明5

つまり子孫にミトコンドリアDNAが継承されなくなった時点で、ミトコンドリア・イブは次世代以降の女性に繰り下がるということだろう。

とここまで理解すると、ウィキペディアの次の言葉がよく理解できる。
”ミトコンドリア・イブは特定の女性を指すのではなく時代によって変動する。もしも仮に5万年前の人類のミトコンドリアDNAサンプルを得たならば、そこから遡ったミトコンドリア・イブは、現代人にとってのミトコンドリア・イブよりも古い時代のひとりの女性を指し示すであろう。同様に、現代に生きている女性のうちの誰かが数十万年後のミトコンドリア・イブとなる可能性もある。”

”同時代には違う型をもつ女性が他にもたくさんいたはずだが、家系図の母系だけをたどるのではなく、母系をたどりつつたまに父系をたどる、のような遡り方をすれば彼女達にたどりつくこともできる。すなわち、その時代のたった一人の女性から「過去から現在に至るまでの歴史上の全ての人類」が生まれたというわけではないのである。”

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96#%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%AA%A4%E8%A7%A3 より引用
このような誤解を防ぐため、ミトコンドリア・イブではなく、ラッキー・マザーと呼び替える動きもあるとのことである。

ウィキペディアの内容については、だいたいこういうことだと思う。
そしてこの説明は、ミトコンドリア・イブは団体ではなく、1人の女性であるとしていることになる。
ミトコンドリア・イブを団体とした場合、複数人存在するミトコンドリア・イブが同じように、娘を1人産んだり、2人産んだりするとは考えられないだろう。

ただし、ウィキペディアの記述が間違っている可能性はある。
念のため、コトバンクを見てみよう。

”ミトコンドリア‐イブ(mitochondrial eve)
イブの仮説で、現在の人類の母系祖先を遡っていったとき、最初にたどりつく、共通する一人の女性祖先のこと。
[補説]現在の人類はミトコンドリアイブの遺伝子を受け継いではいるが、人類がその女性から始まったわけではない。ミトコンドリアイブの同時代には、他にも多くの女性が存在し、その一部の遺伝子は、途中で男系子孫を介しながら、現在まで受け継がれている。また、ミトコンドリアイブからさらに祖先を遡ることもできる。その母系祖先たちも現在の人類に共通する女性祖先のひとりであるが、その中で、現在の人類に最も近い世代の祖先が、いわゆるミトコンドリアイブである。また将来、ミトコンドリアイブにつながる複数の系統のどれかが途絶えた場合、現在ミトコンドリアイブとされている女性の次世代以降の女系子孫が新たにミトコンドリアイブとなる可能性もある。”

https://kotobank.jp/word/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%96-638909 より引用

「現在の人類の母系祖先を遡っていったとき、最初にたどりつく、共通する一人の女性祖先」
「その母系祖先たちも現在の人類に共通する女性祖先のひとりであるが、その中で、現在の人類に最も近い世代の祖先が、いわゆるミトコンドリアイブである。」
とあり、だいたい、ウィキペディアの内容と同じである。

⑥日本人の95パーセントは9人のイブの娘たちの子孫?

「ミトコンドリア遺伝子からみた日本人」という記事があり、次のように記されている。
”ミトコンドリア遺伝子は100%母性遺伝です。
ですから、ミトコンドリアDNA解析をすれば、女性の系統の祖先が解るという特徴があります。
これを利用して2001年、オックスフォード大学のブライアン・サイクス教授が人類共通の母親(ミトコンドリア・イブ)が15万年前にアフリカで誕生し、その後人類は、35の分岐を持つ系統樹に分布したと発表しました。
それによると日本人の95パーセントは9人のイブの娘たちの子孫と判定できるそうです。”

https://iyo-monogatari.jp/nihonjin/origin/564.html より引用
この文章はへんだ。


「日本人の95パーセントは9人のイブの娘たちの子孫」とあるが、文章の流れから「イブ」とは「ミトコンドリア・イブ」の事と思われる。

「9人のイブの娘たちの子孫」とあるが、「9人」は「イブ」にかかるのか、「イブの娘たち」にかかるのか、それとも「子孫」にかかるのか?

「子孫」とは現代に生きる我々日本人のことだろう。日本人が9人ということはないので、
「9人」は「イブ」か、「イブの娘たち」のどちらかということになる。

本来の意味では、「ミトコンドリア・イブ」は約16±4万年前にアフリカに存在していた一人の女性であり、
「現在の人類の母系祖先を遡っていったとき、最初にたどりつく、共通する一人の女性祖先」であった。
現在いきている全ての人類はミトコンドリア・イブにつながっているのであった。

ということは、9人はイブにかかるのではなく、「娘たち」にかかるのだろうか。

とすれば、「ミトコンドリア・イブと呼ばれる一人の女性の娘が9人いる」という意味なのだろうか。

つづきの記事の内容をまとめると、次のようになる。(※は私による注釈)

●現在ミトコンドリアDNAは世界に80パターンのタイプがある。
※パターンとはミトコンドリアDNAハプロタイプのことだろう。

●日本人は16のパターンのDNA(A・B4・B5・C・D4・D5・F・G・M7a・M7b・M7c・M8a・M10・N9a・N9b・Z)が確認されている。

●15万年前に出現した人類はアフリカを出て10万年前、中東あたりでR, N, Mなどのグループに分かれた。

ミトコンドリアDNAハプログループ

トーマス・キヴィシルド, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons
よりお借りしました。

●アジアへの進出は5万年前におこり、B, Fが生まれた。

●日本に多いミトコンドリアハプロタイプは次のとおり。

1.Mから分岐したD4(30%以上)
2.Bから分岐したB(10%)
3.Nから分岐したA(7%)
4.Nから分岐したN9a(5%)
5.N9b(2~3%)
6.M7
7.M7から分岐したM7a (8%)
8.M7から分岐したM7b
9.M7から分岐した M7c
10. F(5%) 

記事の内容は日本人に多いミトコンドリアDNAハプログループの説明だった。
すると、「日本人に多いミトコンドリアDNAハプログループ」を持ち込んだ集団のことを、「(ミトコンドリア・)イブの娘たち」として、記している?

あるいは「日本人に多いミトコンドリアDNAハプログループ」の中で、自分のミトコンドリアDNAを現在まで継承させている女性が、それぞれのミトコンドリアDNAハプログループごとにひとりおり、
その女性たちのことを「9人のイブ」といっているのだろうか。

しかし、おそらく集団でやってきたであろう、それぞれのミトコンドリアDNAハプログループの女性のうち
現在までミトコンドリアDNAを伝えている女性がたったひとりである、というのはわかっていないのではないだろうか。

申しわけないが、読む人を混乱させ、誤解を招く記事だなあと思った。


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