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ふたつの夫婦岩

①檜原神社

奈良山の辺の道沿いに檜原神社がある。
檜原神社には柱に注連縄をかけただけの素朴な鳥居があり、鳥居の向こう側には二上山が見える。
二上山は向かって右側が雄岳、向かって左側が雌岳と呼ばれている。

檜原神社より二上山を望む

檜原神社より二上山落日を望む

⓶二見ヶ浦の夫婦岩

3月、私は檜原神社から二上山に落ちる夕日を眺めていて、三重県伊勢市二見町江・二見ヶ浦にある夫婦岩を思い出した。
YouTubeに素晴らしい動画があったのでお借りした。(ありがとうございます!)


夏至の日、男岩と女岩の間から海の向こうに見える富士山から朝日が昇ってくる。
私も一度深夜から出かけて見にいったことがあるのだが、残念ながら水平線のあたりに雲がでて富士山や日の出を拝むことはかなわなかった。

二見ヶ浦の海岸から朝日を望むと、向かって左側が男岩で向かって右側が女岩となっている。
二見ヶ浦にある夫婦岩は二上山とは雌雄が逆になっているのだ。

大和は青垣の山に囲まれた土地で、伊勢は海に囲まれている。
さらに大和では二上山に夕日が没し、伊勢では夫婦岩から朝日が昇ってくる。

夫婦岩には注連縄が掛けられているが、檜原神社の注連縄はまるで二上山にかける注連縄のようにも見える。

二見ヶ浦はまるで檜原神社から二上山を見た風景を鏡に映して逆にしたような場所ではないか。

檜原神社 三つ鳥居

檜原神社 三つ鳥居

③檜原神社は元伊勢だった。

檜原神社と伊勢には関係がある。

10代崇神天皇の代まで天照大神と倭大国魂神はともに宮中で祀られていた。
ところが疫病が流行り、人民の中には朝廷に背くものも現れた。
そのため天皇は二柱の神とともに生活するのが恐ろしくなり、倭大国魂神は渟名川入姫命、天照大神は豊鍬入姫命に託し、宮中の外で祀らせた。
渟名川入姫命渟名川入姫命は長岡崎で、豊鍬入姫命は倭国笠縫邑で天照大神を祀った。
笠縫邑の比定地は諸説あるが、檜原神社だとする説が有力である。

その後、年老いた豊鍬入姫命にかわって倭姫が天照大神を祀るようになった。
倭姫は天照大神を祀るるにふさわしい土地を求めて各地を転々とした。
最後に伊勢にやってきたとき、天照大神は「この神風の伊勢の国は常世之浪 の重浪(しきなみ)よする国なり。傍国のうまし国なり。この国に居らむとおもう。」と託宣した。
こうして伊勢に天照大神を祀る伊勢神宮が建てられた。


赤印二見ヶ浦の左斜め下(東南)に伊勢神宮が、地図上部の明和町とあるところに伊勢斎宮跡がある。

④二見ヶ浦は伊勢神宮領だった。

倭姫命が天照大神の鎮座される土地を求めてやってきたとき、伊勢の海を二度見たという伝説がある。
『二見ヶ浦』という地名はここからくると言われている。
また二見ヶ浦は神宮の御塩(おしお)と御贄(おにえ)を調達するための神宮領であったといい、伊勢神宮と関係の深い土地である。

天照大神はなぜ「伊勢に鎮座したい」と託宣したのだろうか。
それは二見ヶ浦の風景が、檜原神社から見る風景を鏡に映したような場所であったからではないだろうか。

檜原神社から見る風景が陰(二上山に日が沈むため)だとすると、二見ヶ浦の風景は陽(夫婦岩から日が昇るため)、というわけである。

⑤伊勢斎宮跡と檜原神社はどちらも北緯34度32分!

上記サイトに次のように記されている。

伊勢斎宮跡、箸墓古墳、檜原(ひばら)神社、大坂山(穴虫峠)、長谷寺、室生寺、大鳥神社など著名な遺跡、社寺などが北緯34度32分の線上にほぼ一直線に並ぶ。(仏像写真家の小川光三さんによる。)

写真を始めてから、私は写真を始める前の自分がいかにものを漠然と見ていたかということに気が付いた。
写真を始めると観察力が身についてくる。(まだまだ未熟だが~)

小川光三さんも写真家ならではの観察眼と、フィールドワークでこれを発見したのだろう。
すばらしい発見!そしてこの北緯34度32分を太陽の道と名付けられた。

伊勢斎宮跡は三重県多気郡明和町にある、斎宮が執務した場所である。(上の地図を参照してください)

⑥糸島の夫婦岩


二見が浦という地名は福岡県糸島市志摩桜井にもある。
こちらのほうは行ったことがないのだが、夏至の日、男岩と女岩の間に夕日が沈むという。

三重県伊勢市市二見町江 伊勢志摩(いせしま)・二見ヶ浦 夫婦岩(向かって右/女岩、向かって左/男岩)夏至の日に朝日がのぼる

福岡県糸島市志摩桜井  糸島(いとしま)  ・二見が浦 夫婦岩(向かって右/男岩、向かって左/女岩)夏至の日に夕日が沈む

ふたつの夫婦岩にもなにか呪術的な仕掛けがありそうだ。

この謎がとけたとき、ひとつ古の人の心(古の人が何を考えていたのか)がわかるだろう。






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[ 2023/03/21 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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