とんでももののけ辞典114 権五郎火
1⃣権五郎火
権五郎火(ごんごろうび)
新潟県三条市本成寺地方に伝わる。五十野の権五郎という名の人物が旅の博打打ちとサイコロの博打で争った末に大勝ちし、良い気持ちで帰っていたところ、夜道を追って来た相手の博打打ちに殺害され、その怨念が怪火と化したものとされる。付近の農家では、この権五郎火は雨の降る前触れとされており、権五郎火を見た農民は稲架の取り込みを急いだといわれている[14]。
2⃣五郎は御霊
オヤジギャクというと、寒いイメージを持たれるかもしれないが(笑)
古において、それは掛詞と呼ばれ、和歌に二重の意味を持たせるテクニックでもあった。
そして、こんな話をきいたことがある。
五郎は御霊の掛詞である、と。
そして、こんな話をきいたことがある。
五郎は御霊の掛詞である、と。
御霊とは、政治的陰謀によって不幸な死を迎えた人(怨霊という)を慰霊し神として祀ったもののことである。
そこから権五郎もまた御霊ではないのか、と思えてくる。
ネットで検索してみると御霊神社(鎌倉権五郎神社)などがでてくる。
鎌倉権五郎景政(平影政)を主祭神とする神社であるという。
やはり五郎だけでなく、権五郎も御霊なのではないだろうか。
とすれば、五十野の権五郎は御霊だということになる。
2⃣五十野の権五郎は太陽神?
「権五郎火は雨の降る前触れ」という言葉から、次の言い伝えを思い出す。
晩年、小野小町は天橋立へ行く途中、三重の里・五十日(いかが・大宮町五十河)に住む上田甚兵衛宅に滞在し、「五十日」「日」の字を「火」に通じることから「河」と改めさせた。
すると、村に火事が亡くなり、女性は安産になった。
(妙性寺縁起)
五十日→五十火→火事になる→五十河→河の水で火が消える→火止まる→ひとまる→人産まれる
このような語呂合わせのマジックで村の火事はなくなり、女性は安産になったというわけである。
小野小町は日の神(天照大神)であったが、火の神となり、さらに河の神(水の神)に転じた物語であるとも考えられる。
五十野の権五郎も、日の神→火の神→河の神(水の神)と転じ、
その結果、「権五郎火があらわれると、雨が降る」と言われるようになったのだろうか。
その結果、「権五郎火があらわれると、雨が降る」と言われるようになったのだろうか。
3⃣権五郎火は天然ガスの自然発火?
権五郎火の舞台は新潟県三条市ということだが、ここにはかつて大面油田があった。
権五郎火の舞台は新潟県三条市ということだが、ここにはかつて大面油田があった。
権五郎火伝説が伝えられる本成寺はこちら↓
JR帯錦駅の東が大面。このあたりに大面油田があった。
距離は6kmほど。
1916年(大正5年)から1963年(昭和38年)まで石油の採掘が行われていたらしい。
距離は6kmほど。
1916年(大正5年)から1963年(昭和38年)まで石油の採掘が行われていたらしい。
またそれ以前にも、「地中の火」「燃える風」と呼ばれた怪現象があり、これらは天然ガスの自然発火だと考えられている。
なぜ天然ガスが自然発火すると、雨が降るのか。
私の友人がこんなことを教えてくれた。
地中にある天然ガスは気圧が低くなると、地上にでてくる。
気圧が低いと雨になるのではないかと。
なぜ天然ガスが自然発火すると、雨が降るのか。
私の友人がこんなことを教えてくれた。
地中にある天然ガスは気圧が低くなると、地上にでてくる。
気圧が低いと雨になるのではないかと。
4⃣権五郎はなぜさいころ博打をやっていたのか。
権五郎はなぜさいころ博打をやっていたのだろうか。
これもオヤジギャグが関係しているかもしれない。
鉄火場という言葉がある。
権五郎はなぜさいころ博打をやっていたのだろうか。
これもオヤジギャグが関係しているかもしれない。
鉄火場という言葉がある。
鉄火場(てっかば)
丁半博打の形の崩れたものをいう。賽子(さいころ)2個を壺に入れ、振って出た目の合計が丁(偶数)か半(奇数)かで勝負が決まる。鉄火場は、専門の「壺振り(つぼふり)」がいなくてもよく、むしろ賭客が「廻り壺(まわりつぼ)」といって交代で壺振りを行う。壺振りが胴元を兼ねるものに「四三(シソウ)」と「四六(シロク)」があり、これらは丁と半が一致しなくてもよく、儲けがあれば胴元が取り、損をすれば胴元が負担する。ただし、4と3、あるいは4と6の目が出ればその半額が胴元の利益になる、といったものである。鉄火場も、賭場を開いた者にテラ銭(寺銭)を支払う。
鉄火(てっか・鐡火)とは、鍛冶などにおいて鉄に熱を加えて赤く焼けている様や、それらを鍛造する時の火花をさす。または鍛冶の事。または、マグロの赤身料理などに使用される名。
~略~
~略~
鉄火塚 - 地境や入山権や土地の所有をめぐって行われた火起請のその紛争地に慰霊や祈念として建立された塚。元和5年(1619年)に、現在の滋賀県日野町で鉄火裁判が行われ、それを祈念して日野町音羽の雲迎寺(うんこうじ)の境内には「喜助翁鉄火記念の碑」が建てられている。このような火起請が行われた場所は、古くから神域とされてきたところも多く、そのため紛争の鎮魂の理由だけでなく、日本各地に鉄火塚や鉄火の道祖神が存在するが、その土地に鍛冶の工房があり、町名や村名や字(あざな)が鉄火や鍛冶であることから、たんに鉄火という塚がある場合もある。
火起請(ひぎしょう)とは、中世・近世の日本で行われた神判の一種で、火誓(かせい)、鉄火(てっか)、鉄火起請(てっかきしょう)とも称する。赤く焼けた鉄(鉄片・鉄棒)を手に受けさせ、歩いて神棚の上まで持ち運ぶなどの行為の成否をもって主張の当否を判断した。
博打→鉄火場→火起請(鉄火)
ということは、何か裁判に関係しているのだろうか?
そういえば、ウィキ「大面油田」には次の様に記されている。
ということは、何か裁判に関係しているのだろうか?
そういえば、ウィキ「大面油田」には次の様に記されている。
会社は石油の収入で潤ったが、その一方で田畑の作物への補償話もあって、頭を悩ましたと伝わる。
新潟県三条市大面付近に鉄火塚は無いだろうかと思って調べてみたが、残念ながら、わからなかった。
また鉄火は天然ガスの自然発火の比喩であるかもしれない。
また鉄火は天然ガスの自然発火の比喩であるかもしれない。
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