fc2ブログ

トンデモもののけ辞典⑭九尾の狐 と 殺生石 ※追記あり※追記2あり


化生寺 九尾の狐2

化成寺(岡山県真庭市勝山) 九尾の狐

①九尾の狐、殺生石となる。

九尾の狐はもともとは中国に伝わる9本の尾を持つ狐のことである。
九尾の狐は泰平の世や明君のいる代に現れると考えられていた一方で、美女に変化して人々を惑わすとも考えられていた。

この伝説は日本にも伝わり、次のような伝説が残されている。

753年、吉備真備は遣唐副使となって入唐し、帰国する際に若藻という少女を遣唐使船に乗せた。
若藻は九尾の狐が少女に化けていたのだった。

平安時代、九尾の狐は絶世の美女・玉藻前に化け、鳥羽院(生没年/1103-1156 在位/1107-1123)の寵愛を受けた。(鳥羽院は退位後1129年に院政を開いていますから、玉藻前を寵愛したのは1129年以降ということになる。もちろん、フィクションだが。)
ところが玉藻前を寵愛するようになってから鳥羽院の体調がすぐれなくなった。
陰陽師・安倍泰成はこれを玉藻前の仕業と見抜き、泰成が真言を唱えると玉藻前は九尾の狐の姿に戻って逃げていった。

その後、九尾の狐は那須野(栃木県那須郡)で女性をさらうなどしたため、鳥羽院は討伐軍を那須野に送った。
討伐軍は狐の妖しの術にまどわされ苦戦したため、犬追物で騎射を特訓した。
(犬追物とは騎乗して犬を射るものだが、矢が犬を貫かないように特殊な鏑矢が用いられた。)
特訓のかいあって九尾の狐は退治されたが、死後、巨大な毒石・殺生石に変化して人や動物が近づくと毒気を出して命を奪った。


南北朝時代、玄翁和尚(生没年/1329-1400)が殺生石を破壊したところ、破壊された殺生石のかけらは全国3ヶ所の高田の地に飛んでいって落ちた。
3か所の高田の地は、越後國高田(新潟県上越市)、安芸国高田(広島県安芸高田市)または豊後国高田(大分県豊後高田市)、美作国高田(岡山県真庭市勝山)とされる。

この殺生石は栃木県那須町那須湯本温泉付近に実在している溶岩のこととされる。
溶岩があるあたりには有毒ガスが噴出していて、現在では立ち入り規制されることもあるらしい。

また美作高田は現在の岡山県真庭市勝山で、勝山の化生寺には殺生石の塚がある。

化生寺 九尾の狐

上の写真、鳥居の奥にある石垣で囲まれた中に殺生石が埋まっているといわれている。

⓶九尾の狐は彗星?

『日本書紀』によれば637年に大流星があり、これを僧旻が 「あれは流星ではなく天狗(アマツキツネ)だ」 と言ったとある。

すると殺生石も落ちてきた星であり、殺生石に化生した九尾の狐の正体も星ではないだろうか。

天狐という想像上の動物がいます。
狐が1000年生きると天狐になれるといわれ、尾の数は四尾とされる。
九尾の狐は天狐に似ていますが、尾の数が九尾なので、天狐とは少し違うようだ。

天狗(あまつきつね)が流星のことだとすれば、九尾の狐は彗星のことではないだろうか。

彗星は別名を箒星ともいうが、九つにわかれた尾は箒のようにも見える。

 

③西洋の魔女も彗星?

彗星は別名を箒星(ほうきぼし)ともいう。
西洋の魔女は箒に乗って飛ぶが、これも彗星を表しているのではないかと思う。

④殺生石は黄泉の国から噴き出してきた星?

雲陽誌によれば、大阪府交野市・磐船神社に祀られているニギハヤヒは星の神だというが
ニギハヤヒは天の磐船を操って磐船神社付近に天下ったとされ、磐船神社には天の磐船と呼ばれるご神体の巨石がある。

磐船神社

磐船神社 天の磐船

「昔の人は岩を空から落ちてきた星だと考えていた」と考えると、
ニギハヤヒという神が星の神であること、磐船神社に天の磐船と呼ばれる巨岩があることの説明がつくと思う。

一方、殺生石は殺された九尾の狐の死体で、栃木県那須町那須湯本温泉付近に実在している溶岩のことだという。
昔の人は溶岩が火山が噴き出すものであることは知っていたのではないかと思う。
火山の噴火を目撃した人は多数いたと考えられるからである。

九尾の狐は彗星であり、地上に天下ってきたが、殺されて地下の神、黄泉の国の神になり、その黄泉の国から噴き出してきた星、ということではないだろうか。

石・・・天から降ってきた星
溶岩・・・地から噴き出してきた星

⑤殺生石はなぜ高田という地名の場所に飛散したのか?

殺生石は玄翁に破壊され、全国3か所の高田という地名の場所に飛散したとされる。

❶越後國高田(新潟県上越市)
❷安芸国高田(広島県安芸高田市)または豊後国高田(大分県豊後高田市)
❸美作国高田(岡山県真庭市勝山)※勝山はかつて高田という地名だった。

殺生石はなぜ高田という土地に落ちたなどと言う伝説が作られたのだろうか?

殺生石の本体は栃木県那須町の那須湯本温泉付近にある溶岩である。
私はこの那須という地名が気になっている。

初夢で見ると縁起がいいとされるものとして、一富士・二鷹・三茄子という。
徳川家ゆかりの駿河国での高いものの順(富士山、愛鷹山、初物のなすの値段)など様々な説があるが、
私は、一富士・二鷹・三茄子とは鉱山または鉱物の隠語ではないかと考えている。

殺生石のある栃木県那須町の近くには足尾銅山がある。
愛媛県新居浜市のなすび平の近くには銅山川が流れ、別子銅山がある。
銅は茄子色をしている。
そして茄子が鈴なりになっている状態を坑道に見立てたのではないだろうか。

なすび2

茄子

つまり、茄子は銅を表す隠語ではないかと思うのだ。

鷹は鷹の爪のことだと思う。
鷹の爪の赤い色は水銀を、また鷹の爪の実が鈴なりになるようすをやはり坑道に見立てたのではないだろうか。

たかのつめ2

鷹の爪

藤は不死の意味で、輝きを失わない金を意味しているのだと思う。
藤の花が房になって咲くようすもやはり坑道に喩えられたのではないか。

藤

白毫寺(兵庫)藤

大阪府枚方市には藤田川(とうだがわ)・高田(こうだ)・茄子作という地名があり、一富士・二鷹・三茄子が揃っている。

そして茄子作という地名は「惟喬親王の愛鷹につける鈴を作ったところから名鈴となり茄子作になった」と言われている。
鈴は金属のスズを表しているのかもしれませんし、愛鷹は鷹の爪=水銀を表しているようにも思える。

すると高田の高は同音であるということで、鷹、水銀を表しているのではないかと思える。
高野山には水銀の鉱脈があるそうで、それで高野山という地名がつけられたのではないか。

水銀はかつて不老不死の妙薬と考えられていた。
実際には水銀を体内に大量に摂取すると水俣病になったりして不老不死どころか体に悪いのだが~。

九尾の狐のしっぽが九尾なのは、九と言う数字が不老不死を示しているのかもしれない。
そして高田と言う地名は水銀に関係する地名であり、水銀は不老不死の妙薬とされていたところから、
九尾の狐が化生した殺生石のかけらが高田という地名の場所に飛散したなどといわれているのではないかと思ったりする。

※追記
易の本に次のように記されていた。
1は神・起源
2は対比・分裂
3は懐妊
4は実現・世界
5は智恵・想像力
6は星・健在意識と潜在意識の調和
7は神的受胎・休息・沈黙
8は無限
9は完成・達成
10は神・男性=1と女性=0の相互作用

8は無限。9はその上にあって完成・達成を意味している。完成・達成は「不老不死」といえるかもしれない。

※追記2(2022年5月14日)

 

上の動画に毛玉がたくさんできて、まるで九尾の狐の姿のようになった猫の写真が登場する。

この動画の写真が事実かどうかわからないが、長い毛の犬に毛玉ができるのはテレビなどで見たこともあり、
ありえそうではある。

私は人間のかわいらしい女の子の髪にたくさん毛玉ができているのを発見したことがある。
性格のいいマジメな女性だったので、仕事が忙しすぎて、髪の毛まで気にする余裕がなかったのだろうw
人間の髪の毛でも毛玉ができるのだから、
猫や狐の毛が毛玉になって尻尾のように見えたりすることはあるのではないだろうか。

九尾の狐は箒星(彗星)であると同時に、毛玉がたくさんの尾のように見える狐をモデルとしているのかもしれない。




スポンサーサイト



とんでももののけ辞典⑬ 天狗

鞍馬天狗

鞍馬駅前の天狗像

①天狗は流星を神格化したもの?

天狗という言葉は中国から伝わった言葉のようである。
というのは、紀元前92~89年ごろ成立した中国の『史記』においてすでに天狗という言葉が登場しているからである。
漢代(25年~220年)に成立した『漢書』や、648年に成立した『晋書』にも天狗は登場する。

流星のうち、火球と呼ばれる大きな流星では、星が流れる際に音を発するらしい。

 

2020年11月29日、西日本で観測されたものである。

古代の日本では舒明天皇九年(637年)の記事に次のような記述がある。

大きな星が東から西に流れ、雷に似た音がした。
僧旻は 「あれは流星ではなく天狗(アマツキツネ)だ」 と言った。

⓶天の犬が日月を食って日食・月食がおこる。

中国には「天狗食日食月信仰」なるものがあるそうである。

それは次のような内容である。

日神と月神が、人間の起死回生の薬を盗んだので、人々は犬に日と月と追いかけさせた。
日神と月神は薬を飲んでいたので、犬が噛んでも死なないが、犬は追いかけて日月を食う。
そのため日食・月食がおこる。(紅河イ族辞典)

つまり、犬=流星が日月を食べるのが原因で日食・月食がおこるということだろう。

③駆け抜ける獅子頭はハレー彗星を意味している?

原田神社 獅子神事2

⓶の話を聞いて、私は大阪府豊中市・原田神社の獅子神事を思い出した。
上の男性が手にもっているのは獅子舞などに用いられる獅子頭である。

獅子神事を見たのはかなり以前なので、記憶間違いがあるかもしれないが、だいたい次のようなものだった。

手に提灯を持った氏子さんたちが横に並んで向かい合い、道筋を作る。
氏子さんたちが「うおー」と低いうなり声をあげる中、道筋の真ん中を、獅子頭を頭上にかかげた袴姿の青年が物凄いスピードで駆け抜けていく。

原田神社 獅子神事

氏子さんたちは次々に場所を変えて道筋をつくり、獅子頭は複数人の青年に手渡され、いく筋もの道を駆け抜けていった。

私はこれを、天を駆け抜けるハレー彗星だと思った。

というのは、この獅子神事の起原は684年だといわれるが、この年の10月2日に日本でハレー彗星が観測されたとされるのだ。
そして、その後の11月29日、20時から21時ごろ、太平洋沿岸にマグニチュード8クラスの大地震が起きた。(白鳳地震・天武地震)

山崩れ、河涌き(液状化現象?)、多くの建物が倒壊し、道後温泉や南紀白浜温泉は土砂に埋もれて湧出が止まった。
土佐は津波に飲み込まれて田畑約12km2が海中に没し、調を運ぶ船が多数流失するという大参事。

2011年の東日本大震災を思わせるような大災害だ。
天武年間にはこのほかにも16回も地震がおきている。

ハレー彗星はこれらの災害の予兆だと考えられたことだろう。

狛犬の角がないもののことを獅子という。

赤山禅院 狛犬

赤山禅院 獅子 (狛犬)

青年たちが持って走る獅子頭は犬だといってもいいのではないだろうか。

ハレー彗星は彗星であって流れ星ではないが、天を駆ける星という点では同じである。

④ニギハヤヒが乗ってきた天の磐船は流星だった?

初代神武天皇が日向から東征の旅に出立する際、シオツチノオジが「東にはニギハヤヒがすでに天の磐船を操って天下っている」と発言している。

天の磐船とは何だろうか?
それはUFOではないかという人もいるが、さすがにUFOは無いと思うw

ニギハヤヒが天の磐船を操って天下ったという場所が大阪府交野市の磐船神社で、境内には天の磐船という巨石もある。

磐船神社

磐船神社 天の磐船

雲陽誌という書物に次のような内容が記されている。

島根県松江市の松崎神社では延宝7年に石が掘り出され、古語『星隕って石となる』から神・ニギハヤヒ(物部氏の祖神)の石として宝物にした。ニギハヤヒは星の神である。

どうやら昔の人は、大きな石を空から落ちてきた星だと考えていたらしい。

つまり、天の磐船は空から落ちてきた流星であり、天の磐船に乗って天下ったニギハヤヒは星の神ということになる。

⑤なぜ天狗の鼻は長いのか

天狗のもともとの形は嘴のある烏天狗であったらしい。

鼻の高い天狗は、近代に入ってから主流となったとものであると、 村上健司編著『妖怪事典』には記されているようだ。

天狗の鼻が高いのは、天狗がユダヤ人の顔だからだという説がある。
天狗は修験道の山伏の恰好をしているのだが、山伏は頭に頭襟(ときん)と言われる箱のようなものをつけている。

宝山寺 火渡り

宝山寺 山伏

一方、ユダヤ人は神に祈るときテフィリンと呼ばれる箱のようなものをつける。


他にもユダヤと日本には様々な類似点があり、日ユ道祖論というものが唱えられている。
この日ユ道祖論をベースとして
天狗の鼻が高いのは天狗がユダヤ人だから、などと言われているのだ。

それはありえるかもしれないが、↓ この絵を見て、私は天狗の鼻が長いのは大聖歓喜天の影響があるのかも?と思った。

天狗    歓喜天

歌川国芳筆。                   大聖歓喜天(聖天)


歓喜天は象頭の男女が抱き合う姿をしており、「子孫の七代までの福を一代にとる」といわれるほど、霊験あらたかなみほとけとして信仰されていた。

この歓喜天の象頭の影響を受けて、歓喜天は象のように長い鼻にされたのかもしれない。