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太陽の木 と 月の木⑫ 丹生酒殿神社(太陽?)は東、鎌八幡宮(月?)は西 ※一部書き直しました。

太陽の木 と 月の木⑪ 鎌を打ち付けた御神木は月をあらわしている?  よりつづきます~

①イチョウと同様、櫟樫の樹形は丸い。


前回、「丹生酒殿神社の境内社・鎌八幡宮は4度遷宮した」という話をした。

.香川県多度郡屏風浦の熊手八幡宮(白方八幡宮)

伊都郡兄井村

高野山

.明治二年(1869)の神仏分離令の際、兄井村の諏訪神社へ遷座。

丹生酒殿神社へ遷座。


丹生酒殿神社摂社の鎌八幡宮の元社ともいえる兄井村(現、和歌山県伊都郡かつらぎ町大字兄井)の鎌八幡宮は、
一時荒れていたが、現在は地元の方々によって再興されている。



諏訪神社 鎌八幡宮


階段を上っていくと、向かって右手に諏訪明神社がある。

諏訪明神社


向かって左には、諏訪明神社と並ぶように鎌八幡宮がある。

鎌八幡宮2


丹生酒殿神社の鎌八幡宮と同様、おびただしい数の鎌がつきたてられている。

鎌八幡宮1


「1995年(平成7年)に社を再建、長野県・諏訪大社より御神体を迎え、正遷宮を行い諏訪明神社を再再興また境内にあった櫟樫(イチイガシ)の木を御神木とし、て域住民一同で鎌を奉献(刺す)し、鎌八幡宮信仰も復活させ、元宮の鎌八幡宮として再再興されている。」

とウィキペディアには記されている。


.香川県多度郡屏風浦の熊手八幡宮のhpには次のように記されていた。

6.空海が高野山の奥の院に入定。

 白方の八幡神は生前の約束を果たすため、ご神体である熊手と旗竿を白龍に変え、高野山へ向けて飛ばしたところ、伊都郡兄井村の松樹に掛かった。

7.同郡大畑村の鬼五郎、次郎は、諏訪次郎右エ門に相談の上、高野山に報告。

高野山はこのご神体を奉迎し、行人方の各院が持ち回りでご神体の祭祀を行った。(巡寺八幡宮)

6に登場する諏訪次郎右エ門とは、実在した人物ではなく諏訪明神のことで、諏訪明神を祀る神域の松にご神体がかかったということではないかと思う。

とすれば、もともとここに諏訪明神が祀られていたのだが、最近になって、改めて長野県・諏訪大社から正遷宮を行ったということではないかと思う。
(正遷宮・・・御神体を仮殿から新殿に遷座すること。)

この兄井の鎌八幡元社の御神木は丹生酒殿神社の鎌八幡宮と同じ櫟樫である。
(兄井鎌八幡の元社ともいえる香川県の海岸寺のhpには、櫟樫ではなく、櫟(いちい)と記されているが。
「草刈をしていた宮司さんが一休みしようとそばにあったイチイの木に鎌を打ち付けて、そのまま一晩忘れていた。」)

丹生酒殿神社ではわかりにくかった櫟樫の樹形がここでははっきりわかる。


鎌八幡3


イチョウの樹形が丸い(街路樹などで見られる円錐形の樹形は剪定したもの)のと同様、櫟樫の木も丸い。

公孫樹は秋になると黄色く色づくが、櫟樫は常緑樹なので色づかず、葉の色は暗い緑色である。
(写真は光線の影響で明るく写っている。)

これは熊野勧心十界図に描かれた太陽(金色/黄色)と月(銀色/灰色)を思わせる。

公孫樹・・・太陽(金色/黄色)
櫟樫・・・・月(銀色/灰色)


西福寺


⓶丹生酒殿神社(太陽?)は東、鎌八幡宮(月?)は西



また、丹生酒殿神社(公孫樹)と鎌八幡元社の位置関係は、熊野勧心十界図と同じである。



上の地図の鎌八幡宮とあるところの少し北が丹生酒殿神社、諏訪妙神社のやや東が鎌八幡宮元社である。

陰陽道の宇宙観では、東を太陽の定位置、西を月の定位置、中央を星とするのだったが、丹生酒殿神社の御神木の公孫樹を太陽、鎌八幡宮元社の 櫟樫を月とすると、その位置関係はほぼ陰陽道の宇宙観に一致する。


太陽の木 と 月の木⑬ 熊手八幡宮は月の神?  へつづく~


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太陽の木 と 月の木① 太陽は赤色ではなく、黄色



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